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ビスケット通信

小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。

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飴色日和後編



「誰と一緒に帰るんだい?」「誰と一緒に帰るんですか」
「…え?」

綺麗に揃って聴こえた言葉に、頭がくらりとした。
「(こういう時は息が合うんだよな…。いつもこうならいいのに…)」



*―*―* 飴色日和後編 *―*―*



「もちろん僕と帰るんだよね?」

雲雀は笑顔だが、目は笑ってない。

「いえ、僕と帰るんですよね?誘ったのは僕が先ですから」

骸の言葉に雲雀はまたカチリときたらしく、綱吉を後ろから抱きしめ骸を睨む。

「君、何言ってるの?綱吉は僕と帰りたいに決まってるじゃない。そうだよね、綱吉?」
「うわっ!…って…オレどっちかと帰るのは決定済みなんですか?!オレに拒否権とか」
「無いよ」「無いですね」

またもや綺麗に揃って二人同時に否定された事に、綱吉はガクッと項垂れた。

「…はぁ」

とはいっても雲雀に抱きしめられているので、首をぐったりと曲げたくらいだが。

「(無いんですか…つーか心読まないでよ…リボーンじゃないんだから)」
「貴方は分かりやすいですからね」
「顔に書いてあるよ」

え?マジ?顔に書いてあるのっ?!とばかりにびっくりし、顔を擦る。その様子を見て雲雀がクツクツと笑った(その隙に綱吉が逃げようとしたが駄目だった)。骸もクハハッと独特の笑い声を上げている。

「綱吉…例えだよ」
「実際顔に書いてはありませんから、ご安心下さい」

とんでもなく大きな勘違いをしていた事に気付き(普通は気付くが)、恥ずかしさに綱吉の顔は真っ赤になった。それはそれは可愛らしく。

「綱吉君…」
「(…?なんか骸の頬赤いんだけど…風邪…かな?)」

それは風邪でもなく、ただ単に真っ赤になって恥ずかしがっている綱吉が原因である。
もちろん綱吉がそれに今気付く事は無い。

「綱吉…」
「???」

雲雀も同じ理由で頬が少し赤い。

そして二人同時にゆらりと綱吉に近づいた。

「な…何?」

綱吉はガタガタと震えそうになるが、なんとか抑えている。

「綱吉…今日こそ僕の物になりなよ」
「…は?」
「綱吉君、契約より契りを僕と交わしましょう」
「ち…ちぎ…?」

訳が解らず綱吉がおろおろしていると、二人が相手をチラリと見る。

「「(コイツさえいなければ…)」」

…両者考えている事は同じだった。

「六道骸…君、ストレート過ぎるんじゃない?だから綱吉に嫌われるんだよ」
「クハハッ!貴方こそ遠回しに言い過ぎなのでは?」

最初に攻撃に出たのは雲雀だったが、骸は笑顔に勝ち誇ったように雲雀に反撃をする。
二人の間に挟まれた綱吉は、火花がバチバチと発生しているのが見えるような気がしてきた。

「(なんか逃げたほうが良さそうな気がする…本能的な危機感みたいな…)」

綱吉の超直感が生命の危機を知らせていた。だが、現在は雲雀の腕の中。脱出は不可能に近い。いや、不可能だ。


「僕はじっくり進める方でね」

雲雀は今にも武器を振り回しそうな殺気だ。それに対して骸は笑顔で言葉を返す。

「そんな臆病な恋愛の仕方だから貴方はいつまでたっても綱吉君を手に入れられないんですよ。僕のように積極的にならないと」

クフンと誇るように骸が笑えば、雲雀のこめかみがピクリと引くついた。
雲雀のその変化を確認した骸は、更に上機嫌でびしりと言い放つ。


「貴方のような恋愛一年生に何が出来ぐふっ?!」

びしりと言い放つ前に雲雀のトンファーが骸の額に痛恨の一撃をクリティカルヒットさせた!

「なっ何なんですか!!人の話は最後まで聞きなさいと教わらなかったんですか?!」

額から血をだらだらと流しながらめそめそと泣き出した骸に、綱吉は哀れみの視線(一瞬)を向けた。

「ちょっ…雲雀さん!ダメですよっ!」

咎めるように綱吉が雲雀に声をかけたのを見て、骸の表情がぱあっと明るくなる。

「そうですよ、人を傷付けてはいけませんと習わなかったんですか雲雀恭」
「雲雀さんのトンファーが汚れるじゃないですか!」
「…あぁ、そうだね」

ごしごしと雲雀はトンファーに付いた血をハンカチで拭う。そして近くのゴミ箱へ投げた。

「ちょっと!僕をバイ菌か何かと勘違いしてませんかっ?!」
「「うん」」

二人同時に頷かれ、骸は自称ガラスのハートにキズがついたらしい。

「綱吉、後で手洗いとうがいちゃんとしようね」
「はい」

「だから僕はバイ菌じゃないで」
「煩いよ南国卑猥果物」
「黙れ変態パイナップル」
「…っ!!」

「綱吉、帰るよ」
「はい、雲雀さん!」


泣きながら走り去っていく骸は、今度こそガラスのハートが粉々に砕けたとか。




END


▼あとがき▼
いつの間にかギャグ話に…。骸がー(笑)
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堕天使エレナ
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学生
趣味:
絵描き 執筆 読書 ゲーム 寝る 妄想 便せん作り
自己紹介:
うえのイラスト画像はいただきもの。
オンラインでは執筆を
オフラインではイラスト中心に活動中デス
ギャルゲー、音ゲー、RPG系、シュミレーションゲームが好き
格ゲーやアクションは苦手

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