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ビスケット通信

小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。

カテゴリー「リボーン(獄寺×ツナ)」の記事一覧

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ドキドキっ!セイントバレンタインデー2009(獄ツナ)

バレンタインデー祭パート2は獄ツナです!
イェイ!5927☆

しかも2009年2月14日~3月10日までfree配布です!いないと思いますが、二次配布や分を加工するのは禁止です!






「獄で…隼人…君、遅いなぁ…」
(まだ慣れないよなー…隼人…ってさ…)
ツナは寒空の中、公園のベンチで、一人寂しく座っていた
傍らに、赤いリボンに青地の包装紙の小包が一つ、ツナと同じようにぽつんと置いてある
(せっかくオレ頑張って作ったのに…)
母親の奈々に手伝ってもらいながら、一生懸命作り、気合いを入れてラッピングをした
そして、ランボ達にチョコを配ってから、獄寺に電話をしたのであるが、何故か留守電に繋がったため、要件だけを伝えておいた
『あ…獄寺君?オレ、沢田綱吉だけど。いつもの公園で待ってるね』
そう残してから家を出て、公園に向かった
しばらく待っても獄寺は来ないので、携帯を見たがメールの着信は無し
そして、現在に至る
「はぁ…」
ため息をつくと、目の前に黒い影が落ちた
「ねぇ、何してるの」
「っ!?」
驚いて顔を上げるとそこには、風紀委員長の雲雀恭弥が、静かに立ちツナを見下ろしている
「ひっ…雲雀さ…」
「何してるの」
無表情で語る雲雀は、オーラが相変わらず恐ろしい
「獄寺君を、待って…います…」
答えると、雲雀はあからさまに不機嫌な顔になった
「ふーん…」
ツナは慌てて顔を伏せる
(怖いっ…怖いっ!助け…)
「来るね」
は…?聞き返す暇もなく、轟音によって遮られた
「十代目ーっ!」
獄寺の叫び声と同時に、ダイナマイトが投げられる
―――ズドーーンッ!
「うわぁっ!」
雲雀はツナを抱き上げ、なんとか爆発から逃れた
(あぁっ!?オレのチョコがーっ!)
そんな事を考えながら、落ちないように雲雀にしがみつく
「チッ!おいっ!てめぇ十代目を離しやがれっ!!」
獄寺は、再び大量のダイナマイトを投げつけてきた
それと同時に、雲雀は後ろに大きく飛脚する
「獄寺君っ!!オレまで巻き込まないでよっ!」
「だってそいつ十代目を抱えていやがるんですよ?!」
獄寺は早速次のダイナマイトを取り出し始めた
「君が爆弾投げるからでしょーっっ!」
「…あ?」
ダイナマイトを投げようとした手が止まる
「雲雀さん、降ろして下さいっ!」
自分を抱き抱える雲雀を見上げる
その顔は一瞬、どこか悲しそうに儚く見えた
「…」
雲雀は無言でツナを降ろす
「獄寺君っ!」
「十代目っ!」
ツナは獄寺君に駆け寄ると、思いっきり抱きついた
「すみません、遅れてしまって…」
顔を離して、獄寺の顔を見つめる
「ううん。来てくれた事が嬉しいよ!」
にぱっと笑うと、しょんぼりしていた獄寺の顔も、さわやかに笑った
「…あれ?そういえば雲雀のヤローはどこいったんすか?」
辺りをキョロキョロする獄寺につられて、ツナも辺りを見回す
先ほどまで立っていたはずの場所に雲雀の姿は無い
「うーん…どこいったんだろね?」
「そんな事はどうでもいいっすよ!これ、十代目にバレンタインのプレゼントです!」
「ありがとう!」
ツナは小箱を受け取ると、嬉しさに顔がにやけた
「えっと…獄寺君、じゃなくて…は…隼人……君。オレのチョコ、さっき獄寺君の投げた爆弾で粉々になっちゃったんだよ…」
「えぇっ!!そうだったんですかっ!?申し訳ありません十代目!」
地面に頭を擦り付け、謝り始めようとした獄寺を、ツナは慌てて止める
「ちょっ…獄寺君顔上げてよ…悪いのは獄寺君だけのせいじゃないし、ね?」
「十代目がそうおっしゃるなら…」
なんとか土下座しようとした獄寺を止めた
「とりあえず座ろっか」
「そうっすね。あ、これどうぞ」
「ありがとう…あ、オレの好きなやつだ…」
近くのベンチに座り、獄寺が渡してくれたホットミルクで、一息つく
「じゃあ獄寺君、プレゼント開けていいかな?」
「どうぞ!つまらない物ですが…」
獄寺にもらったバレンタインのプレゼントを、ゆっくりと開封していく
リボンを外し、包装紙を破って…
開けると、チョコが綺麗に20個ほど入っていた
「うわぁ…高そうなチョコだね…」
「そんなことないっすよ」
(…でも獄寺君…これゴディハだよね)
声には出さずに、心の中でツッコミを入れた
「ぱくっ……ん!凄い美味しーっ!」
口に入れるとほろり…と溶ける感覚と、カカオのいい香り…
ウキウキしながらばくはくとチョコを食べていく
半分だけ食べ終わると、残りは録っておく
「ありがとう…ヒック」
「え?」
(なんか視界がぐるぐると回って…)
「大丈夫ですか十代目っ!まさかウイスキーボンボンで酔ったとか…」
「もーっ!はやとー!オレのことツナってよんれよーっ!」
ツナは、酔いで頬を赤く染めて瞳を潤また顔で、獄寺を見上げた
「ちょっ…十代目!酔ってますって!」
「酔ってらいもんーっ!」
(酔ってます…ツナさん…)
獄寺は色々な意味で泣きそうになった
「ねーねーはやとー!きょーははやとのおうち行くーっ!」
「えぇ?!駄目ですって…ちょっ…十代目~っ…」
胸にしがみついてきたツナにドキドキとする
「違うーっ!つーなーっ!呼び方はツナらよっ!」
ぷーっ…と頬をふくらましてツナは怒る
(うわっ…か…可愛いっす!十代目っ!)
「じゃあ十代、あ…つ、ツナさん…今からう…ウチに来ますか?」
「うんっ☆」
にへら~と笑い、獄寺に寄りかかった
「し…失礼しますっ!」
獄寺君は、ツナをお姫様抱っこにして歩き出す
やがて獄寺の住むアパートが見えてきた
「えへへー」
ツナは嬉しくて、獄寺の胸に擦りついた
「っ…くそっ…」
焦りで鍵が上手く開けられなかったが、なんとか開け、家の中に入った
ツナをベットに運び、寝かせてやる
「じゃあ俺は水を―…ツナさん?」
「いっちゃヤー…」
「うぁっ?!」
―――ボフンッ!
勢いよくツナに引っ張られ、獄寺はベットに倒れこんだ
「はやとー…」
「つっ…ツナさんっ!」
ちゅっと、音を立ててキスをする
何回かついばむキスをしていると、キスをした時にツナが獄寺の頭を掴み、舌を絡ませた
「ん…はぁ…あふぅ…」
ツナの行動に驚いたが、室内に響く、舌を絡ませて奏でる水の音に、頭が沸騰してくる

「はぁっ…は…はや…と…」
「つなさん…」
ツナのコートを脱がし、トレーナーの中に手を入れた
「ん……スゥ…」
(…スゥ?)
嫌な予感がして目を開けてツナを見ると、気持ち良さそうに眠っていた
「…………………はぁーー…」
顔に手を当てて、ため息をついた
「起きたら相手して下さいよ?おやすみなさい……ッ…ナ」
すやすやと眠るツナのおでこにキスをして、自分もベットに寝転がると、うとうととして、やがて獄寺も眠りについた




end


**あとがき**
これバレンタイン話に分類していいのかなぁ…(汗)
雲雀さん、優しいですねーっ!
ツナを守ってるんですっ!お姫様抱っこで、しかもツナはしがみつきですっ!萌えます…(殴)
ごめんツナ…チョコが粉々に…(笑)
そして最後に酔っぱらいツナ!ろれつの回らない舌っ足らずな話し方は好きです…☆
「酔ってらいもんーっ!」これ確実に酔ってますね(笑)

獄寺君、ツナが寝ちゃって残念だったネ!いつかホームページ開設した時に裏設置したら寝ない展開も…ゴホゴホ…

えーと
ここまで読んで下さりありがとうございましたーっ!

余談
無事本命チョコ渡せましたよーっ♪

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十代目とボム…6(一応完結)


「山本、今日はお寿司ありがとうね!美味しかったよー」
眩しいくらいの満悦の笑みを山本にお礼を言った
「ツナが喜んでくれたならオレも嬉しいのなっ」
山本もツナににっこりと笑い返すと、ツナが、あっ!と思い出したように言った
「そういえば山本になんかお礼しないとっ!」
(お礼な……)
しばらく山本は考えてたが…
「いいってそんなのー」
遠慮して断ってしまった
「そうっすよ十代目っ!こんなむっつりスケベにお礼何がいいかなんて聞いたら、十代目の身が危険っすよ!」
「獄寺は狼丸出しだけどな」
「う゛っ…うるせーっ!」
ツナの身を後ろから羽織い絞めにしてツナを守る獄寺
(また始まったよ…)
「…ねぇ獄寺君」
「なんすか十代目っ」
「…えっと…腕を、離してくれないかなぁ?」
ツナは上目遣いで獄寺を見上げて喋った
(山本にさっき教えてもらったのを早速試しちゃおー☆こうすると獄寺君大人しくなるんだよねー)
「…………あ、はい!スミマセンっ」
顔を少し赤らめながら、ツナを抱き締めていた腕を離した
「ツナ、上手くいったろ?」
ツナにだけ聞こえるひそひそ声で喋ると、ツナも小声で話した
「あ、うん。そうだね」
ニコニコと笑いあう二人を見て、また獄寺は不機嫌になる…
「ちょっ…十代目!二人で何笑ってんですか!」
「獄寺君にはヒミツー!じゃあ山本、また来週ね!」
また喧嘩を始めそうな獄寺の腕を掴んで、ずるずると引きずっていく
「帰り道も気を付けろよなー」
(獄寺に…な…)
山本は苦笑いしながらツナ達を見送った


星が瞬く中、ツナと獄寺は暗い夜道を歩く
「十代目」
「んー?何?」
「なんかさっきから嬉しそうっすね…」
「別に~」
そういいつつも、ツナの顔はにやけている
(獄寺君の弱点見つけちゃった~♪)
「…十代目は山本が好きなんですか?」
ツナが後ろを振り返ると、獄寺が暗い顔をして立っていた
「…は?なんでいきなりそうなる訳?」
「さっき山本と話してからずっとニコニコしてるじゃないすか…」
(嫉妬心でたーっ)
はぁ…とため息をつきながら、獄寺の真ん前に立つ
獄寺は今にも泣きそうな顔をしていた
「…あのね、オレが一番好きなのは獄寺君だよ?それに、ニコニコしてるのは…その…獄寺君の事が理由なんだよ」
「俺…?」
獄寺の顔が少しだけ明るくなった
「お寿司食べてる時、山本に獄寺君の弱点教えてもらったんだ……ごめんねっ」
苦笑いしながら、ちょっと困ったように謝った
「そんで…何教えてもらったんですか?」
「んー…ヒミツー♪教えちゃったら面白くないからねっ」
「酷いですよ十代目~………あ、そういえば」
「なに…うわっ!んっ…」
ツナの腕を掴み引き寄せて、口づけた
ついばむように、2度、3度と
「雲雀菌消毒です」
ニッコリと笑顔になる獄寺だが、ツナの顔が少し曇る
「はは…なんだよ雲雀菌って……そ…に、消毒……き…いし」
「え?」
恥ずかしくて顔をうつむかせて喋ったが、二回目は、獄寺の目を見てきちんと言う
「消毒しきれてないよ…舌…入れられて…」
(なっ…くそっ…雲雀恭弥め…十代目にそんなことをっっ!初めては俺がやりたかったのにっ)
怒りを露にする獄寺だが、ツナが「だから…」と言うと、意識をツナに戻す
「だから…ね?獄寺君に、雲雀とした感覚を忘れさ…んぅ…」
言い切る前に、ツナの唇にキスをした
ツナは躊躇なく唇を開けて、舌を絡める
「ん…はっ……んぅ…んーっ!」
歯茎をなぞられたり、舌を吸い上げられて、ツナは顔をしかめる
「んふぁ…はぁっはぁ…はー…」
唇を解放すると、金魚のように必死に酸素を吸う
「十代目…大丈夫ですか?」
「ん…だい…じょうぶ…はぁ…だよ」
涙目になりつつも、笑顔で獄寺を見上げた
「じゅっ…十代目……あーえっと、俺ん家来ますか?」
「…ふ…ぇ?なんで?」
やっと息が整い、思考回路も回復してきた
「…初めてを雲雀にとられたくないですから」
「初めて?」
照れ臭そうに言うが、ツナは言葉の意味がわからない様子
「そうです…十代目の初めてを全部俺に下さい」
「うーんと…よくわかんないけど、いいよ。獄寺君に、オレの全てをあげる」
ほんのり笑みを浮かべて、獄寺に寄り添った
「~っ!十代目っ!」
獄寺は嬉しくなって、ツナを思いっきり抱き締める
「ちょっ…ごくでらく…くるしっ…」
「すみません!嬉しくってつい!じゃあ早速俺ん家行きましょう!善は急げっす!」
「ぷはっ…もー獄寺君ってば…そういえばだからなんで家…うわわっっ?!」
獄寺はツナを抱き上げて、ダッシュで走る
「獄寺君っ!ちょっと…降ろしっ…こらーっ!話を聞け~っっ!」


…その夜
「獄寺君にオレの全てをあげる」と言ってしまったことに後悔しが、獄寺に文字通り全てを捧げた
(んー…かなり痛かったけど…獄寺君喜んでくれたし、まぁいっか!…それに………少しだけ良かったし…ね)
「十代目ん?さっきからずっと笑ってますね」
「なんでもないよ。ねぇ、「十代目」に戻ってるよ?」
「すいません!………ツナさん」
「うん……隼人」


happyend!





…終わり…なのかな?

**あとがきという名の「十代目と獄寺」打ち上げ会**
「あーやっと終わった~」
「そうっすね!十代目、お疲れ様です!」
「結構面白かったよなー」
「山本出番少なかったけどね…」
「俺の方が少なかったぞ」
「あ、リボーン!来てたんだ!」
「当たり前だ。つーかツナ、俺が雲雀に注意しろつったのに襲われてんじゃねーよ」
「あはは…だってあの時はそういう意味だって気づかなかったんだよなぁ…」
「ツナは鈍いからなーオレの気持ちにも気づかなかったみたいだしな」
「ごめんな山本~」
「十代目が謝ることないっすよ!遠回しなこいつが悪いんですからっ!」
「獄寺はもうちょい控えめのほうがいいのになぁ?」
「なんだとーっ?!」
「ちょっと!二人共喧嘩しないでよーっ」
「君ら、うるさいよ」
「「「雲雀(さん)っ!」」」
「やあ、赤ん坊が来てるっていうから僕も来てみたよ」
「チャオ」
「雲雀!てめぇ十代目に謝れ!」
「ちょっと獄寺君!止めなよっ!嫌じゃなかったですし、雲雀さんは謝らなくていいですからっ!」
「ふーん…じゃあ良かったんだ」
「え…あ…うー…んと」
「…雲雀、次回はお前の出番だぞ」
「えっ?次?」
「そうだ。雲雀とツナの話だ」
「ははは!ツナ、頑張れよ」
「~~っ!十代目、俺が一番ですよねっ?!」
「え…あー…そ」
「そうだよなんて言ったら噛み殺すよ」
「ヒィィッ!スミマセンスミマセン!雲雀さんが一番ですっっ」
「なっ……じゅーだいめぇー…」
「獄寺、元気出せよな!」
「で…リボーン、次回はどん話なの?」
「次回はだな、ひば」
「ぎゃははははーっ!ランボさん登場!」
「うわっ!ランボ!?」
「ランボさん本編に出させてもらえなかったから、打ち上げ会に邪魔しに来たもんねー」
「…邪魔しないでくれる?」
「邪魔だ!向こう行け!牛ガキ!」
ドスッザクッ
ドカーーンッッ!
「ピギャーッッ!」
「うわーっ!ランボがーっ!」
「う…う゛っ…が…まん……うわ゛ぁぁーーん!」
ズドーーン!!
「ケホッ…ゴホッ…十年バズーカだっ」
「こんにちは…若きボンゴレ十代目…ここは?」
「あー知らなかったんだよね…「十代目とボム」の打ち上げ会だよ…」
「……聞いてなっ…いっ…うわ゛ぁぁん!」
「なーっ!そうだった十年後ランボも出てなかったんだーっ」
「はははっ面白いやつだなー」
「うるさいのが居なくなったからな。さっさと進めるぞ」
「で…次回は僕と綱吉の話みたいだけど、どんな話なわけ?」
「もちろん雲雀がツナを獄寺から強奪する話だ」
「んなーっ?!」
「面白そうだね…今からゾクゾクするよ」
「雲雀なんかに十代目は渡さねぇっ!」
「…それは無理な話だな」
「頑張れよツナ!応援してっからな!」
「てめぇは絶対次回も片思いで終わる」
「それが俺の設定だし?しょうがないしな」
「はひ~っ!なんかデンジャラスな話してますーっ」
「ツナ君、頑張ってね」
「ハルに京子ちゃんっ?!ちょっ…なんで?!つーか京子ちゃんに俺がホモ話やってたの知られたーっ!」
「俺が一回も出てなくて極限に悔しいぞーっ」
「うわっ京子ちゃんのお兄さんまで来ちゃったしっっ」
「つっ君~お母さん次回も出れるかしら~?」
「うわーっ!母さんまで来たーっ」
「群れるのは嫌いだから帰るよ」
「ちょっ…雲雀さん!次回の主役がいなくなったら困るって!!なんか一言っ!」
「………勝手に読めば?」
「な゛ーっ?!雲雀さんそんなんじゃ誰も読まないからっ…ぜひ読んでくださいっ!オレら頑張りますんで!」
「俺はぜってー出ないからなっ!」
「ちょっと獄寺君!そんなの無理っ」
「獄寺、ツナの為にも出てやれよなー」

「…強制退出だな」



「あの…なんで雲雀さんとリボーンとオレだけなの?他のみんなは?」
「あいつらが居ると終わらないからな。強制退出させた」
「やるな…それでこそ僕の認めたヤツだよ」
「雲雀、しっかりやれよな」
「ふん…指図されたくないね」
「雲雀さん~っ!お願いだから真面目にやってーっ」
「……綱吉の頼みだからね。少しは本気出すよ」
「良かったー…じゃあみなさん、次作楽しみにしてください…」
「俺も大活躍だ」ニカッ
「嘘言うなーっ!」
「そろそろ終わりの次回だね。僕と綱吉のラブラブ話、読まないと噛み殺すよ」
「らっ…ラブラブって?!」
「さ、早く撮影行くよ」
「えぇぇっ?!ちょっ…雲雀さん離してっ…リボーン助けて~っ!」
「スピー…」
「寝るなーっリボーンっっ!」

十代目とボム…5


「…とは言ったものの、やっぱり不安だよなぁ」
階段を降りて、応接室へ向かう廊下をうつ向きながら、静かに歩く
昼休みだというのに、嫌に静かでひんやりとしている気がするのは、ツナの緊張のせいである

応接室のドアの前に立ち、深呼吸をして、ゆっくりとノックをした

コンコン

10秒としないうちにドアが開いて、無表情の雲雀がツナを出迎えた
「遅いよ」
「す…すみません」
ぺこりと頭を下げると、雲雀は眉を寄せて嫌な顔をする
「まぁ入ってよ」
「し…失礼します…」
おずおずと応接室に入る。ツナが部屋に入ったのを確認した雲雀は、ドアの鍵をカチリと閉めた
「…え?」
雲雀が鍵を閉めたことに驚き、後ろを振り返った
(…なんで鍵??)
「ククッ…大丈夫。いつもの事だから」
雲雀は、口の端を僅かに上げて笑っている
「…そうなんですか」
緊張したツナは、応接室の中でうろうろしていた
「座りなよ」
応接室のソファーに座り、膝に肘を付いてツナを見る
ツナが反対側のソファーに座ると、雲雀は若干むっとした表情になった。ツナは気づかなかったが
「あの…オレに何の用なんですか?」
カチ、カチと、時計の音が静かな部屋に響く
「特に用はないよ」
「は?」
緊張で仏頂面だったツナは、気が抜けて少し肩の力が抜けた
「お弁当、食べたら?」
「えっ?!でっでもここ応接室だしっ!」
「ここはボクの部屋だから気にしなくていいよ」
「そうですか…」
(いつから雲雀さんの部屋になったんですかっっ!)
内心ツッコミを入れつつ、お弁当の包みを広げた
お弁当の蓋を開けると、雲雀の視線がお弁当にいく
「あ…そういえば…雲雀さんはお昼食べましたか…?」
恐る恐る聞くと、フッと笑われた
「まだだよ」
「そうですか…」
(ご飯は…綱吉とか)
雲雀の視線を感じつつ、箸を取り出す
「美味しそうだね」
(ご飯を食べている時の君は、とても美味しそうだ)
「はぁ…ありがとうございます…」
黒豆を、一粒つまんで食べた
黒豆の甘さに頬が緩む
(ボクの前でゆっくり食事なんて…させないよ?)
少し目を細めて、ツナに話しかける
「ボクにも頂戴」
「え?」
ツナは箸を止め、雲雀を見た
「い…今なんて」
「ボクにもそれ頂戴」
(んー…?雲雀さんお腹すいたのかなぁ…うーん…でもな…)
ツナは自分と雲雀の距離を考える
(ちょっとここから手を伸ばしても届かないよな…)
どうしようかと迷ってると、雲雀が言った
「こっちに来なよ」
「あ…はい」
雲雀に言われた通りに、ツナは立ち上がり、雲雀のソファーに移る
「なんでそんな離れてるわけ?」
「あ、すみません…」
(本当に君は無防備だね…)
少しずつ雲雀に近づき、いいと言うまで間合いを詰めた
「まだ…まだ…OK」
(って…こんなソファー広いのになんでくっついて食べなきゃいけないんだ?!)
「綱吉、ウインナー頂戴」
「…どうぞ」
お弁当のウインナーを箸で掴んで、雲雀にの口元に差し出す
「クスクス…食べさせてくれるんだ?」
「え?あ、だって…」
(さっき獄寺に食べさせたのと同じようにしちゃったよっっ!恥ずかしいっっ)
顔を赤くして、差し出した手を下げようとしたら、雲雀がぱくりと食べた
「…普通だね」
「そうですか…」
苦笑いして、ご飯粒を食べる
(というか…雲雀さんにじーっと見られてて食べづらいんですけど…)
「綱吉」
「な、なんですか?」
(今度はなんですかっっ?!)
箸を置いて、恐る恐る隣の雲雀を見上げる
「厚焼き卵」
「えっと…どうぞ」
先ほどと同じように、厚焼き卵を摘まんで、雲雀に差し出した
「口移しで」
「はぁ?」
思わず気の抜けた声を出す。はっ…と口を押さえるが、雲雀は依然として口元に笑みを浮かべている
(く…口移しーっっ?!)
「ちょっ…雲雀さん…何かの冗談ですよねっ?!」
「ボクが冗談言うと思ってるの?」
「いいえっ…思いません…」
(ちょっと雲雀さん本気ーっ?!)
「……」
戸惑いながら、ちらりと雲雀を見る
「早くしなよ。嫌だって言ったら噛み殺すよ?」
そう言って、雲雀はトンファーをちらつかせた
「ーーっ!…はぁ」
恐怖で眉間に皺をよせたが、意を決して厚焼き卵を箸で摘まみ、半分までを唇で挟んで、顔を赤くしながら雲雀に口…厚焼き卵をつき出す
「とても美味しそうだね」
にやりと笑って、ツナの唇に挟まれた厚焼き卵を食べる
非…ツナにキスをした
「んっ?!」
驚いて頭を後ろに引こうとしたが、雲雀に後頭部を捕まれ、頭の動きを封じられた
雲雀の舌が口内にするりと入り込み、残りの厚焼き卵を奪い取る
(何?これ何なんだよ?舌がっっ?!)
「んぅ…やっ…はっ……はぁ…」
やっと解放されて深呼吸すると、厚焼き卵を食べ終わった雲雀が、また口づけてきた
「え?ちょっ…あ…ふぅ…ん…んんーっ?!」
激しく舌を絡まされて、舌を吸い上げられる
(ちょっと雲雀さんーっ?!なっ何?何なんだよーっっ??!!)
雲雀の胸を手で押すも、力が抜けてびくともしない
息が苦しくて涙目になった時、雲雀は唇を離した
「は……もしかしてこういうの初めて?」
「~~っっ!!」
(正直だね…)
顔をうつ向かせて、こくりと頷くと、雲雀が喉でクックッと笑う
「ワォ…驚きだね」
「ふっ…くっ…うっ…」
悔しくて、涙が頬を濡らし、嗚咽を堪えながら泣く
(なんで雲雀さんがこんなことっ…なんで…?)
それを見た雲雀は、ツナの頭を撫でた
「綱吉」
雲雀はさっきまでとは違い、ほんのり優しい音色の声を出したので、顔を少し上げた
雲雀の手が頬にいき、ツナの涙を拭う
「雲雀さ…」
「ごめんね」
(え…?)
雲雀さんに優しい心なんてきっとない…そう思ってたツナは、初めて聞いた気遣いの言葉に、目を見開いて驚き、雲雀を見上げた
「…雲雀さん…?」
雲雀の表情は無表情で本心は分からない
「綱吉が嫌ならもうしないから」
雲雀がそう言ったと同時に、授業の予鈴がなった
「早く行きなよ」
「あ…はい」
ソファーを立ち上がって、応接室を後にしようとドアの鍵をあけると、雲雀がツナを呼び止めた
「灰色の狼はもっと凄い事をするからね」
「???」
(もちろんボクもだけど…今回はこの辺りしておこう。最も…君は意味を理解してないようだけどね)
軽く考えたが意味はよく解らなかったので、軽く雲雀に会釈し、ツナは応接室を出た



「…何?獄寺君…それに山本まで」
放課後になり、帰宅の準備をしていると、目の前には極寺と山本が、不機嫌な顔をして立っていた
「ツナ、昼間大丈夫だったか?」
山本がツナの肩に手を置いて、心配そうな顔でツナを覗き込んだ
「だっ大丈夫だったよ…」
ツナはなんとか笑ってで答えた
「……十代目…応接室で雲雀に何かされましたか?」
「え…なっ何かって?」
獄寺の怒りの混じった声に、思わず声が裏返る
「されたんですね…」
「な…何もされてないよ」
(なんでオレ雲雀さん庇っちゃってんのっ?!)
顔を獄寺から逸らすと、肩に手を置く山本の手が、さっきより強くなった
「いたっ…」
「ツナ…本当か?」
二人に気配と視線で嘘だと言われ、顔を下にうつ向かせた
「ごめん…嘘だよ。本当は…キス、された」
「マジか…」
「…っ!あんのヤローっ!今すぐ消し」「獄寺君っ!それは止めてよっ!」
今にも応接室に向かいそうだったのを、獄寺の腕を掴んでツナは止めた
教室に残っていた生徒が、何事かと振り向いたが、異様な雰囲気に皆教室を静かに出ていった
「…っ?何でですか十代目っ!アイツ無理矢理十代目にキスしやがったんですよっ?!何で止めるんですか?!」
「だってちゃんと謝ってくれたし、もうしないって約束してくれたよっ!それにっ…雲雀さんは優しい人なんだよっ…だから獄寺君…止めてよっ…」
泣いて止めるツナに、獄寺はチッ…と舌打ちして、ため息をついた
「分かりました…十代目がそう言うなら…そのかわり…」
「ツナ、そろそろ帰ろうぜ!」
獄寺の言葉を、途中で山本の声が遮った
「あ、うん。帰ろっか」
椅子から立ち上がって、鞄を肩にかけた
「十代目あの…」
「今日はウチ来ないか?寿司食わしてやるからさ!」
「やった!オレ山本ん家の寿司大好きなんだよねー」
山本はツナの肩に腕を回して、早々と教室を出た
「ちょっ…十代目っ!置いてかないでくださいよっ!」
獄寺も、二人の後を追いかけた

しばらく獄寺は山本に恨みの視線を送っていた事に、ツナは全く知らなかった





**あとがき**
雲雀×ツナみたいな展開になってしまいましたっっ
雲ツナ好きにはニヤニヤできるお話でしたが…
獄ツナファンの方すみませんっっ
次回はちゃんと獄寺×ツナですっ!
次回を見ていただければ何を書きたかったのか分かると思います…
お話の展開上こうするしかなかったんですよー…
別に山本とかでも良かったんですがね
まぁ山本には別のお話で獄寺からツナを強奪してもらおうかなぁ…
…なーんてね………考えてとこう

十代目とボム…4

「遅い…」
獄寺は先ほどから、屋上でぽつんと煙草を吸いながら一人でたたずんでいた
昼休みになり、昼飯をツナと一緒に食べるためにツナに声をかけたのだが、無反応というか無視というか…話を聞いてもらえなかった
(やっぱり朝のアレが悪かったんだよな…)
朝、登校時間前の二人きりの教室でツナに手を出してしまい、それをクラスメイトの男子に見られていた
それでツナを怒らせてしまった
もちろんちゃんと目撃したクラスメイトをシメて、口止めはしておいたのだが、それでもツナは怒ったままだった
はぁ…とため息を一つついて、額に手を当て空を仰ぐ
「十代目…」
名前を呟けば、胸がきゅっと苦しくなる
(教室を出る前、山本に屋上で待ってると十代目に伝えてくれとは頼んだが…きっとあのヤローの事だ、チャンスだと思って十代目と二人で昼飯食べるに違いねぇ…)
煙草が短くなったので、煙草をコンクリートの床に押し付け、次の煙草を取りだそうとした時
ガシャン…と、屋上の扉が開く音がした
(十代目!)
思わず顔を笑顔に緩ませて、扉を見た
のだが…
ガシャン…
「は?」
山本は屋上に出てくることもなく、扉を閉めた
(あんのヤロー…なんで扉閉めるんだよっ!)
煙草を戻し、勢いよく立ち上がって屋上の扉に向かう
扉のノブに触れたとこで、手を止めた
ドアの隙間に耳をあてて、会話を聞き取ろうとする
(クソッ…聞こえねぇ…)
諦めてノブに手を当てようと時、扉が開くのを感じた
慌てて走り、さっき座っていた場所に戻る
屋上に上がって来たのは…獄寺が待ちに待っていたツナだった
「十代目~遅いっすよ~」
「ごめんごめんっ!」
獄寺は軽くツナを下から上まで見た
(目が少し赤いが…他にとくに変わった様子はねぇな…山本と何やってたんだ?)
「獄寺君?どうかしたの?」
「なんでもないっすよ!さ、早く昼飯食べましょう!」
なんとか笑顔で誤魔化して、ツナを隣に座らせた
ちょうど山本が後から屋上に出てきた
「獄寺、遅れてごめんな!」
いつも通り爽やかな笑顔を獄寺に向けた。それが獄寺をさらに怒らせるとも知らずに…
「誰もテメェなんか遅れても気にしてねぇっ!!つーかさっきなんで扉閉めたんだよっ!」
立ち上がり、あからさまな殺気を山本に向ける
「ん?さっき?ああ…別にツナの目をみてやっただけだけど」
「そうなんだよーっ!さっき屋上の扉開けた時に風が勢いよく吹いてきてさぁ!ちょっと目が痛かったから、ゴミが入ってないか山本に見てもらったんだよ~」
お弁当を広げながら、のんきに話すツナ
(十代目の目にゴミが…んでそれを山本が見ー…!!アイツ十代目の顔を間近で見やがってっ!うらやまし…じゃねぇっ!)
「十代目、目は大丈夫だったんですか?」
ゆらりとツナに近付いて行く
「うん、大丈夫だった…獄寺君?なっ…何?」
ツナの真横に行き、膝立ちになりツナを見る
「俺がもう一回確認してあげますよ」
ツナの顎を掴み、上を向かせた
「なっ…ちょっと…ご…獄寺君ってば……もう…」
真っ赤にして目を逸らしている
しばらくツナの顔を堪能したあと、ツナを解放した
「んー…十代目、大丈夫です。俺が確認したんだから絶対大丈夫っす」
「う…うん、あ…ありがとう…」
恥ずかしさのあまり顔を俯かせた
しばらく様子を見ていた山本が、ツナの肩をポンポンと優しく叩く
「ツナ、大丈夫か?」
「大丈夫…」
お弁当に箸をつけ始める。厚焼き卵、唐揚げ、ウインナー…
「獄寺はヤキモチ焼きだからな!気にすんな」
「野球馬鹿に言われたくねぇよ」
ボソリと呟いた獄寺の言葉に、山本の眉がピクリと反応する。笑顔は崩していない
「獄寺と違ってオレは心がけ広いからなー」
「やんのかコノヤロー!」
ダイナマイトを取り出す
「はぁ……ねぇ獄寺君!あーん」
ツナは喧嘩を止めるために、獄寺に食べかけの厚焼き卵を差し出す
「へっ?!そ…それは十代目の食べかけ…滅相もないっ…~~っ!頂きますっ!」
獄寺は差し出された厚焼き卵をぱくっと食べた
「十代目…美味しいですっっ」
一気にご機嫌になる獄寺。
(あはは…獄寺君って犬みたいに短縮だなぁ…)
「じゃあオレにもくれるよな?」
反対を振り向いて山本の方を振り向く
「山本も欲しい?」
「欲しい」
「十代目っ!こんなやつに十代目の昼飯分けないでいいっすよ」
「え…ええと…」
あげれば獄寺が不機嫌に
あげなければ山本がしょんぼりする
どっちを選んでも良い方向にも向かない…
(あーもぅっ!!どうすればいいんだよっ)
「十代目ーっ!」
「つーな?」
二人の熱い視線におろおろしている時…


ピンポンパンポーン
「沢田綱吉、沢田綱吉。至急応接室に来るように」

「雲雀さん?」
「みたいだなー」
(た…助かった…)
ほっと安堵笑みを溢す
「…じゃあ行ってくるよ」
食べかけのお弁当を仕舞って、立ち上がる
「十代目、オレもついて行きます!」
「オレもついて行ったほうがいいか?」
「うん、そうだーー…」
と言いかけた時

ピンポンパンポーン
「沢田綱吉、至急応接室に「一人で」来るように」

「……みたいだから、一人で行ってくる」
(タイミング合い過ぎっっ!まさか…雲雀さんってオレらの行動どっかで観てるんじゃないのかなぁ…)
屋上の扉にてくてく歩いていく
「十代目…きっと雲雀は何か仕掛けて来ます…だから、何かあったら読んでくださいね!オレ直ぐに助けに行きますから!!」
「頑張れよ!ツナ!」
二人の応援を背に、扉を開けた
「二人共ありがとう、大丈夫だからさ。それじゃっ!」
扉が閉まった後も、二人はしばらく扉を眺めていた



十代目とボム…3


コツンコツンと、静かな廊下を二人で歩く
(よく考えてみればまだ登校時間前なんだよなー…来てても朝練連中ぐらいだよなぁ)
「十代目…」
「えっ?」
急に話しかけられて、下を向いていた頭を、上に上げ、獄寺のほうを見る
「どうしたの?獄寺君」
「雲雀恭弥にだけは近づかないようにして下さい」
眉を吊り上げ、眉間に皺を寄せ、低く喋る声に、ツナは少し恐怖を感じた
「…うん、分かってる」
「絶対アイツは十代目を狙ってますから」
「は、はぁ…?」
獄寺の言う意味もあまり理解出来なかったが、とりあえず頷くツナ
ガラガラ…と、教室の扉を開ける
当然、荷物はあるが誰もいない
「やっぱり誰もいないっすね」
「そりゃあそうだよ…まだ7時になったばかりだし…」
席に鞄を机に置き、教科書や筆記用具を机に入れる
「十代目…なんか緊張しますね」
「は?なんで?」
ツナは、ロッカーに鞄をしまいつつ、獄寺の方を振り返った
そわそわとしながら、ツナの方をチラチラと見ている
獄寺はまだ、机に鞄を置いたままだった
「だって、今教室には十代目と二人っきりじゃないすか」
「そうだね?それがどうかしたの?」
獄寺の席に近づく
「ちょっ…十代目、いきなりこっち来ないで下さいよっ!」
(今こっちに来られたらっ…)
「なんで?」
顔を逸らされたので、逸らされた方向に回り込んでみる
回り込んで来たツナに、獄寺は少し狼狽える
「…えーっと、なんでって…そりゃ…十代目………で…」
顔を真っ赤にして獄寺は話すが、顔を逸らしている上に、モゴモゴと言っててほとんど聞こえない
「獄寺君?ちゃんとこっち見てよっ!」
獄寺の顎に手を添えて、ぐりっとツナの方を向かせる
「…っ?!…十代目っ!」
「なっ…んっ!?」
ツナの腰に手を回して引き寄せ、顎をぐいっと上に上げてちゅっとキスをする
「ちょっ…ここ教室だよっ?!何考えてんの獄寺君っ!」
「…十代目と二人っきりなんて、堪えきれないっすよ」
眉をちょっと八の字にして、切なそうに、でも瞳の奥をギラギラとさせ、ツナを見つめる
「え…あ…うん……そっか…ごめん」
ツナは視線を泳がせて、どうしたらいいのかあたふたする
(うわわわ…どっ…どうしようっ?!獄寺君の目がなんか情熱的で、目が…合わせらんない…)
「十代目…もう一度…駄目ですか?」
「だっだだだめに決まってるだろっ?!」
緊張に耐えきれなくなって、獄寺から離れようとした
が、獄寺は腰に回した手を更に強める
「ちょっと…ごっ獄寺君離してよっ…」
「嫌です」
耳元で囁かれ、背中にぞわぞわと痺れるような感覚が走る
「やっ…」
「十代目、好きです」
甘く、低い声で囁き、ペロリと舌で舐める
「ひゃあっ!」
ツナは思わず、上ずった声で声を上げる
「クスクス…十代目すんげー可愛いです…堪んないです」
「なっ!バカっ…」
(十代目…そんな潤んだ瞳で見上げないで下さいよ!本当にもう危ないんですからっ)
「…~~っ!!!獄寺君っ!」
脅えたような震える声で、獄寺を呼んだ
「…?どうかしました?十代目…」
顔を少し引いて、ツナを見る。ツナの顔はー…青ざめている
「だっ大丈夫ですか?!十代目っ!」
「そんなことよりむこうむこうっ!!」
獄寺はゆっくりと、ツナの指差した方向に振り返ってみると…
……クラスの男子一名が扉の前で赤面していた
「あ…」
カチン…と空気が固まるのを、その場に居るものは感じた
「すみませんっ!!お邪魔しましたぁっ!」
顔を青くし、慌てふためいて去っていった
「あー…いっちまった…じゅうだい…めぇっ?!」
ツナの方に首を戻す
真っ赤な顔にになりながら死ぬ気弾も撃たれてないのに、死ぬ気モードの目をしているツナを確認してしまい、後退りをする
「獄寺君…」
「はっはいぃっ?」
びくっと肩を震わせ、後退りする足をを止めた
「どうすんだよおぉぉぉっっ!!!!」
死ぬ気モードの最強ツナは叫ぶと同時ぬ、獄寺の腹にパンチをめり込ませる
「ぐへっ!!…すっ…すみませんっ…いっ今から追いかけて口封じに行ってきますっ!」
獄寺は目にも止まらぬ早さで、教室から飛び出して行った
「えぇっ?ちょっと!獄寺君ーっ!?」
慌ててツナも教室を出て追いかけるが、既に姿は見えない…
「行っちゃった…大丈夫かな…それより、これからどうしよう…はぁ…」
ガックリと肩を落として、一人悲しくため息をついた




「はぁ~…」
お昼休みになり、クラスの皆はお弁当を食べたりしていた
(絶対オレと獄寺君が抱き合ってたって噂広まってるよ…)
「なぁツナ、どうしたんだ?」
「やっ山本っ?!」
山本の声にびっくりして顔をがばっとあげる
「昼飯食いに行こーぜ」
「あ…もうそんな時間かぁ…」
(きっとクラスのみんな俺の噂してんだろうなぁ…)
そう思い、クラスを見渡すが、みんないつも通り楽しそうに会話をしている
(あ、あれぇ…以外と普通かも…なんで?)
「どうしたツナ?」
「なんでもないよっ!」
顔をブンブンと左右に振り誤魔化す
「獄寺は先に行ってるってよ」
「あ…そう。じゃあ行こうか」
鞄から弁当を取り出して、教室を出た
(不思議だなぁ…こういう噂ってすぐに広まる気がするのに…
そう言えば…
2時間目が終わった時に…
『起きて下さい十代目っ!十代目~っ!はぁ…十代目寝てるんですか…
せっかく黙っててもらえたって報告しようと思ったのに…』
…あれ本当だったんだなぁ…)
ふと横を見ると、山本はツナを見て笑っている
「なっ何笑ってんだよ山本…オレの顔になんかついてる?」
「いや、ツナって面白れーのな!コロコロ表情が変わって、見てて面白い」
「そうかなぁ…って言うかまじまじと見てるなよー…恥ずかしいだろ?獄寺君じゃあるまいし…」
「獄寺?」
思わず本音が出てしまい、はっ…と、口を手で押さえた
「いや、そのー…」
(だって獄寺君注意するまでオレをずーっと見てるんだもん…なんか、それと同じ感じがして恥ずかしいんだよなぁ……)
ちょっとだけ頬が赤くなる
「確かにアイツ、授業中ずーっとツナを見てるもんなぁ…ごめん」
「えぇっ?!そうだったの?」
(どうりで授業中後ろに熱い視線を感じてた訳だ…っていうか授業中までオレを見てて飽きないのかなぁ……)
苦笑いでうつ向きながら、いいよもう気にしてないから、と山本に言った
(それに比べたら山本がちょっと見てるくらい平気だよな…うん)
「まぁ、獄寺の気持ちも分かんなくもないけどな」
(授業中とか、下校中とか、話してる時とか…くるくると変わる表情を見てると、なんか嬉しくなってくるんだよなー)
「え?」
びっくりして山本を見上げる
「ははっなんでもねーよ!早く行こうぜ!」
ツナの背中をパシッと叩いて、屋上に続く階段を二段飛ばしで駆け上がって行った
「え?うん?」
(んー?なんか誤魔化された気がするけど…ま、いっか…)
ツナも山本の後に続いて、階段を駆け上がった




ドアを開けると、風が一気にぶわっと吹いて来て、驚く
「うわぁーっ?!」
直ぐに風は止んだものの、ツナはしばらく放心状態だった
「ツナ!獄寺が待ってるぞー」
「あ、うん…痛っ…」
瞬きをしたら、目に激痛がした
涙目にしながら目を擦るが、なかなか痛さは引かない
山本がそれに気付き、ツナに駆け寄った
「ばかっ!目を擦るなっ!!」
「わっ?!」
いきなり山本に手を捕まれ、驚いた
「目を擦って炎症起こしたらどうすんだよ…」
「あ、そっか…ごめん…」
ツナがしょんぼりしてると、屋上のドアがガシャン!と閉まる音が階段に響いて、飛び上がるくらい驚いた
「…ちょっと目を見せてくれ」
「あ…うん」
ツナは上を向くと、山本の手が頬に触れて、目を調べる
(眼球は大丈夫みたいだな……ツナって目が大きいなぁ…それに、頬っぺたま柔らかいし
…唇も柔らかそうだ……ツナの顔って女みたいだよな……あ、ヤバい…キスしたいかも…)
「あの…山本…オレの目大丈夫かなぁ…」
はっ…と気づくと、不安そうに瞳が揺れた
「あ…あぁ、大丈夫だ!」
にかっと笑顔で言った
大丈夫だと分かると、ふぅー…とツナは安心したのか、深く息を吐いた
(危なかった…ツナにキスしそうだった…獄寺のツナなのに…っ)
「じゃあ山本!早く行こうよ!獄寺君が待ってるしねっ」
「おぅ!そうだな」
屋上のドアを開けると、また勢い良く風が吹き抜けた
今度はちゃんと、ツナも目を瞑る
(この風と一緒にこの気持ちも吹き抜けていけばいいのにな…)
悲しそうに目を細めて、山本もツナと共に屋上に出た









##あとがき##
ぐぁ…偽物山本っぽい…
でも今回はちょっぴり山本×ツナみたいな感じでしたねー
まぁ残念ですがくっつきませんけどね…獄寺×ツナのお話ですし。山本の性格をマスターしたら山×ツナのお話書く…のかなぁ…
ツナは獄寺のものと分かってて手を出すなんて、山本じゃあり得な…ありかも…?

「てめぇ十代目に気安く触るんじゃねぇっ!」
「ツナ~別にいいよな?」
「え?あ…うん。オレは全然構わないけど…」
「十代目っ?!酷いっすよ~…山本より俺のほうが十代目を好きですっ!!」
「ツナ、俺のほうがツナの事大好きだぜ?」
「え…山本?」
「はぁっ?!野球馬鹿より俺の愛を受け取ってください!!十代目!」
「ツナ、獄寺より俺の愛を受け取るよな?」
「え?え?え?えぇぇっ?!ちょっ…そんなぁ…」
「十代目~っ!!」「ツナ!」
「うわぁっ!二人共怖いよおっ!!!」
「待って下さい十代目!どっちの愛を受け取るんですかっ?!」
「ツナ!逃げるのは卑怯だぞ!」

なーんてね…
獄寺→ツナ←山本で
ツナサンドだ~vv
(*^m^*)
雲雀さんもトッピングしちゃう?あはっ☆

…そういえばごっきゅんはどうやって口封じしたのかなぁ…
多分脅したんでしょうね…
無表情で「…喋ったら殺すぞ」とか…?
怖っ…(/_;),普通の生徒だったらビビりますねぇ…

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プロフィール

HN:
堕天使エレナ
HP:
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
絵描き 執筆 読書 ゲーム 寝る 妄想 便せん作り
自己紹介:
うえのイラスト画像はいただきもの。
オンラインでは執筆を
オフラインではイラスト中心に活動中デス
ギャルゲー、音ゲー、RPG系、シュミレーションゲームが好き
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