ビスケット通信
小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。
疲れた貴方を癒すのは(光就/亮さんへ)
- 2010/05/02 (Sun)
- 戦国バサラ |
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最近元就公の政務が忙しいらしい。
毎日朝から晩まで働き詰めなのは当主として
立派だと思いますが、彼はまともに食事も
摂らない時すらある。それは幾ら何でもいけ
ないと思った私は、彼に無理矢理にでも食事
を摂っていただきたくお粥を作ってさしあげ
たりしたのですが、即座に突き下げられてし
まいまして。他にも色々と作ってみたのです
が彼は意地を張ってかいらぬの一点張り。
挙げ句には部屋に入るなとまで言われてしま
いました。
仕方なく元就公の部屋の前に座っている訳で
春とはいえまだ廊下は冷たいのだと身に染み
て実感する。…私の心を表しているようで、
とても不快だ。それもそのうちに己の体温で
温くなってきて、元就公に出会い人間らしさ
を得た自分のようだと思う。
「元就公…」
ふわりと吹いた風に乗せて、そっと愛しい
彼の名を呟いても、春の風のようにあっとい
う間に消えてしまう。
寂しい。
彼はすぐ近くにいるのに、見られない触れら
れない話せない、愛したい愛されたいと切に
願い、彼の顔を思い出してほろりと涙が出て
きてしまう。
私の他に、毛利軍の侍女や側近なども、当主
の政務への切り詰め様に不安で表情が暗く
なっている。
「私に何が出来るでしょうか…」
中庭に生えた桜に語りかけた。当然草木の
それに返答する口を持っている訳ではなく
返答が返ってくる事は無いのですが。何とな
くこうしたいと思いまして。
その無言に飽きて、自身の毛先をくるくると
弄んでみるがそれすらにも飽きておもむろに
廊下に寝転んだ。侍女や家臣などが通ったら
邪魔だろうなと思いつつも襖に空いた穴から
室内を覗き見る。
彼は相変わらず机に向かって字を書いており
朝覗いた時から位置が変わってない。
もう昼時を過ぎて、そろそろ厠に行くのでは
と待ち伏せするために此処にずっと居るのだ
がなかなかその兆候は無くて心配です。
それとも彼の言いつけを無視して突入してし
まおうか。でも彼は怒るでしょうし…まぁ…
怒った元就公もとても素敵なのですが…でも
じっとしているよりかは良いですかね。いえ
寂しさに負けたのではなく暇だからです。
そうと決めればその場から立ち上がり、襖の
前に立つ。
「元就公、入りますよ」
答えも聴かずに部屋へと足を踏み入れれば、
そのまま元就公を背後から羽織い締めに抱き
つく。長きに渡り染みついた感覚であっても
ぴくりと震える初々しい反応が愛しい。
「鬱陶しい」
「少しくらい良いではないですか…」
首筋に鼻先を押し付ければ、くすぐったそう
に身を捩る。さらけ出された白い肌の首筋に
歯を突き立てたい衝動を抑え、久しぶりの
元就公の香りと肌の感覚を堪能すれば、気持
ちが高まって思わず昂ったものをこれみよが
しに下腹部を彼の腰に擦り付ける。
「…やめぬか、集中出来ぬ」
「だって…元就公構ってくださらない…
寂しいんですー…癒して下さいー」
「忙しい」
「むぅ…息抜きも必要です…」
腰紐に手をつければペチッと叩かれ、渋々と
手を引っ込める。
「元就公ぉー…我慢出来ないです…」
意味を分かっているからかそれともただ単に
久しい触れ合いだからか、彼の頬は紅くて、
ああ襲いたくなってしまったんですがどうし
てくれるんです、元就公貴方可愛過ぎます。
「今は、駄目だ」
「何時ならいいんですか。何時も何時も政務
にかかりっきりじゃないですか…
少しくらい私に構って下さらないと餓えて
他の誰かを襲っちゃいますよ?」
過去に一度、この城で元就公以外の方を襲い
かけたが結局未遂に終わって、こっぴどく
元就公に御叱りを受けたのを思い出す。あれ
は女の嫉妬に近かった気がする。
「貴様は二度同じ間違いを犯すような
そんな阿呆ではない」
「そうですか…」
そういわれてみればそうかもしれない。
納得させられてしまった事が不服で、さわり
と胸元を指で這わせてゆけば、筆を持つ手が
鈍る。
「いい加減にせぬか」
「ねぇ、本当に嫌なら私を突き飛ばすなり
何なりとすれば良いでしょう?
ですが貴方はそれをなさらない…つまりは
嫌ではないんですよね…元就公」
元就公の好む低音で囁けば、彼はゾクゾクと
身を震わせる。
筆先は完全に止まっていた。
食事をまともに摂っていない彼に抵抗する力
などある筈も無く、本人もそれを分かってい
るのか了承の言葉のかわりに筆を置く。畳に
押し倒しても一瞬此方を睨むだけで、やはり
不必要な抵抗はしてこない。
抵抗が無いのは些かつまらないが、このまま
犯して彼が疲れにぐっすり眠ってしまえば、
元就公の睡眠不足は解消されて私は性欲が
満たされると一石二鳥ではないだろうか。
少し嬉しくて笑みがこぼれる。今日くらいは
優しくしようと思いつつ、じっくりと、彼の
固い精神を融かすように舌を絡ませた。
――――――――――――
2010/5/1
↓あとがき↓
亮さんから「寂しがり屋」というリクエスト
をいただきまして。。。
寂しがり屋か…光秀だったらどんなだろうと
考えて、あ、光秀は構ってもらえない寂しさ
のあまり元就を襲っちゃえば良いよ!って
安易な発想から作られた産物。
いや本当はね、寂しさのあまり無理矢理に
襲うシナリオもあったのだ。あったんだけど
妄想の段階であまりの鬼畜に中止したという
かくれた経緯があったりする(苦笑)
というか
リクエストに沿った話になれただろうか…;;
かなりずれてしまった気もするが…ま、気に
いらないのなら書き直すなり違うの書くなり
するから気軽に言ってくれ。
あと亮氏のみ煮るなり焼くなりサイトにUP
するなり好きにして良いから。
以上あとがき。
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オフラインではイラスト中心に活動中デス
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