ビスケット通信
小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。
十代目とボム…5
- 2009/01/18 (Sun)
- リボーン(獄寺×ツナ) |
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「…とは言ったものの、やっぱり不安だよなぁ」
階段を降りて、応接室へ向かう廊下をうつ向きながら、静かに歩く
昼休みだというのに、嫌に静かでひんやりとしている気がするのは、ツナの緊張のせいである
応接室のドアの前に立ち、深呼吸をして、ゆっくりとノックをした
コンコン
10秒としないうちにドアが開いて、無表情の雲雀がツナを出迎えた
「遅いよ」
「す…すみません」
ぺこりと頭を下げると、雲雀は眉を寄せて嫌な顔をする
「まぁ入ってよ」
「し…失礼します…」
おずおずと応接室に入る。ツナが部屋に入ったのを確認した雲雀は、ドアの鍵をカチリと閉めた
「…え?」
雲雀が鍵を閉めたことに驚き、後ろを振り返った
(…なんで鍵??)
「ククッ…大丈夫。いつもの事だから」
雲雀は、口の端を僅かに上げて笑っている
「…そうなんですか」
緊張したツナは、応接室の中でうろうろしていた
「座りなよ」
応接室のソファーに座り、膝に肘を付いてツナを見る
ツナが反対側のソファーに座ると、雲雀は若干むっとした表情になった。ツナは気づかなかったが
「あの…オレに何の用なんですか?」
カチ、カチと、時計の音が静かな部屋に響く
「特に用はないよ」
「は?」
緊張で仏頂面だったツナは、気が抜けて少し肩の力が抜けた
「お弁当、食べたら?」
「えっ?!でっでもここ応接室だしっ!」
「ここはボクの部屋だから気にしなくていいよ」
「そうですか…」
(いつから雲雀さんの部屋になったんですかっっ!)
内心ツッコミを入れつつ、お弁当の包みを広げた
お弁当の蓋を開けると、雲雀の視線がお弁当にいく
「あ…そういえば…雲雀さんはお昼食べましたか…?」
恐る恐る聞くと、フッと笑われた
「まだだよ」
「そうですか…」
(ご飯は…綱吉とか)
雲雀の視線を感じつつ、箸を取り出す
「美味しそうだね」
(ご飯を食べている時の君は、とても美味しそうだ)
「はぁ…ありがとうございます…」
黒豆を、一粒つまんで食べた
黒豆の甘さに頬が緩む
(ボクの前でゆっくり食事なんて…させないよ?)
少し目を細めて、ツナに話しかける
「ボクにも頂戴」
「え?」
ツナは箸を止め、雲雀を見た
「い…今なんて」
「ボクにもそれ頂戴」
(んー…?雲雀さんお腹すいたのかなぁ…うーん…でもな…)
ツナは自分と雲雀の距離を考える
(ちょっとここから手を伸ばしても届かないよな…)
どうしようかと迷ってると、雲雀が言った
「こっちに来なよ」
「あ…はい」
雲雀に言われた通りに、ツナは立ち上がり、雲雀のソファーに移る
「なんでそんな離れてるわけ?」
「あ、すみません…」
(本当に君は無防備だね…)
少しずつ雲雀に近づき、いいと言うまで間合いを詰めた
「まだ…まだ…OK」
(って…こんなソファー広いのになんでくっついて食べなきゃいけないんだ?!)
「綱吉、ウインナー頂戴」
「…どうぞ」
お弁当のウインナーを箸で掴んで、雲雀にの口元に差し出す
「クスクス…食べさせてくれるんだ?」
「え?あ、だって…」
(さっき獄寺に食べさせたのと同じようにしちゃったよっっ!恥ずかしいっっ)
顔を赤くして、差し出した手を下げようとしたら、雲雀がぱくりと食べた
「…普通だね」
「そうですか…」
苦笑いして、ご飯粒を食べる
(というか…雲雀さんにじーっと見られてて食べづらいんですけど…)
「綱吉」
「な、なんですか?」
(今度はなんですかっっ?!)
箸を置いて、恐る恐る隣の雲雀を見上げる
「厚焼き卵」
「えっと…どうぞ」
先ほどと同じように、厚焼き卵を摘まんで、雲雀に差し出した
「口移しで」
「はぁ?」
思わず気の抜けた声を出す。はっ…と口を押さえるが、雲雀は依然として口元に笑みを浮かべている
(く…口移しーっっ?!)
「ちょっ…雲雀さん…何かの冗談ですよねっ?!」
「ボクが冗談言うと思ってるの?」
「いいえっ…思いません…」
(ちょっと雲雀さん本気ーっ?!)
「……」
戸惑いながら、ちらりと雲雀を見る
「早くしなよ。嫌だって言ったら噛み殺すよ?」
そう言って、雲雀はトンファーをちらつかせた
「ーーっ!…はぁ」
恐怖で眉間に皺をよせたが、意を決して厚焼き卵を箸で摘まみ、半分までを唇で挟んで、顔を赤くしながら雲雀に口…厚焼き卵をつき出す
「とても美味しそうだね」
にやりと笑って、ツナの唇に挟まれた厚焼き卵を食べる
非…ツナにキスをした
「んっ?!」
驚いて頭を後ろに引こうとしたが、雲雀に後頭部を捕まれ、頭の動きを封じられた
雲雀の舌が口内にするりと入り込み、残りの厚焼き卵を奪い取る
(何?これ何なんだよ?舌がっっ?!)
「んぅ…やっ…はっ……はぁ…」
やっと解放されて深呼吸すると、厚焼き卵を食べ終わった雲雀が、また口づけてきた
「え?ちょっ…あ…ふぅ…ん…んんーっ?!」
激しく舌を絡まされて、舌を吸い上げられる
(ちょっと雲雀さんーっ?!なっ何?何なんだよーっっ??!!)
雲雀の胸を手で押すも、力が抜けてびくともしない
息が苦しくて涙目になった時、雲雀は唇を離した
「は……もしかしてこういうの初めて?」
「~~っっ!!」
(正直だね…)
顔をうつ向かせて、こくりと頷くと、雲雀が喉でクックッと笑う
「ワォ…驚きだね」
「ふっ…くっ…うっ…」
悔しくて、涙が頬を濡らし、嗚咽を堪えながら泣く
(なんで雲雀さんがこんなことっ…なんで…?)
それを見た雲雀は、ツナの頭を撫でた
「綱吉」
雲雀はさっきまでとは違い、ほんのり優しい音色の声を出したので、顔を少し上げた
雲雀の手が頬にいき、ツナの涙を拭う
「雲雀さ…」
「ごめんね」
(え…?)
雲雀さんに優しい心なんてきっとない…そう思ってたツナは、初めて聞いた気遣いの言葉に、目を見開いて驚き、雲雀を見上げた
「…雲雀さん…?」
雲雀の表情は無表情で本心は分からない
「綱吉が嫌ならもうしないから」
雲雀がそう言ったと同時に、授業の予鈴がなった
「早く行きなよ」
「あ…はい」
ソファーを立ち上がって、応接室を後にしようとドアの鍵をあけると、雲雀がツナを呼び止めた
「灰色の狼はもっと凄い事をするからね」
「???」
(もちろんボクもだけど…今回はこの辺りしておこう。最も…君は意味を理解してないようだけどね)
軽く考えたが意味はよく解らなかったので、軽く雲雀に会釈し、ツナは応接室を出た
「…何?獄寺君…それに山本まで」
放課後になり、帰宅の準備をしていると、目の前には極寺と山本が、不機嫌な顔をして立っていた
「ツナ、昼間大丈夫だったか?」
山本がツナの肩に手を置いて、心配そうな顔でツナを覗き込んだ
「だっ大丈夫だったよ…」
ツナはなんとか笑ってで答えた
「……十代目…応接室で雲雀に何かされましたか?」
「え…なっ何かって?」
獄寺の怒りの混じった声に、思わず声が裏返る
「されたんですね…」
「な…何もされてないよ」
(なんでオレ雲雀さん庇っちゃってんのっ?!)
顔を獄寺から逸らすと、肩に手を置く山本の手が、さっきより強くなった
「いたっ…」
「ツナ…本当か?」
二人に気配と視線で嘘だと言われ、顔を下にうつ向かせた
「ごめん…嘘だよ。本当は…キス、された」
「マジか…」
「…っ!あんのヤローっ!今すぐ消し」「獄寺君っ!それは止めてよっ!」
今にも応接室に向かいそうだったのを、獄寺の腕を掴んでツナは止めた
教室に残っていた生徒が、何事かと振り向いたが、異様な雰囲気に皆教室を静かに出ていった
「…っ?何でですか十代目っ!アイツ無理矢理十代目にキスしやがったんですよっ?!何で止めるんですか?!」
「だってちゃんと謝ってくれたし、もうしないって約束してくれたよっ!それにっ…雲雀さんは優しい人なんだよっ…だから獄寺君…止めてよっ…」
泣いて止めるツナに、獄寺はチッ…と舌打ちして、ため息をついた
「分かりました…十代目がそう言うなら…そのかわり…」
「ツナ、そろそろ帰ろうぜ!」
獄寺の言葉を、途中で山本の声が遮った
「あ、うん。帰ろっか」
椅子から立ち上がって、鞄を肩にかけた
「十代目あの…」
「今日はウチ来ないか?寿司食わしてやるからさ!」
「やった!オレ山本ん家の寿司大好きなんだよねー」
山本はツナの肩に腕を回して、早々と教室を出た
「ちょっ…十代目っ!置いてかないでくださいよっ!」
獄寺も、二人の後を追いかけた
しばらく獄寺は山本に恨みの視線を送っていた事に、ツナは全く知らなかった
**あとがき**
雲雀×ツナみたいな展開になってしまいましたっっ
雲ツナ好きにはニヤニヤできるお話でしたが…
獄ツナファンの方すみませんっっ
次回はちゃんと獄寺×ツナですっ!
次回を見ていただければ何を書きたかったのか分かると思います…
お話の展開上こうするしかなかったんですよー…
別に山本とかでも良かったんですがね
まぁ山本には別のお話で獄寺からツナを強奪してもらおうかなぁ…
…なーんてね………考えてとこう
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オフラインではイラスト中心に活動中デス
ギャルゲー、音ゲー、RPG系、シュミレーションゲームが好き
格ゲーやアクションは苦手
感想・お問い合わせは下記マデ(☆を@に変えてねっ)
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小説のお仕事、有料無料、業者同人問わず受けます
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