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ビスケット通信

小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。

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飴色日和前編



「綱吉君!」
「え?」

学校が終わり、綱吉が下駄箱に上履きを仕舞っていると、いきなりかけられた声に驚き、その声のした方向に振り向く。

青の髪。
左目が髪の毛と同じ青。
もう片方の右目は赤のオッドアイで、六の文字が浮―――…ここまできたらあの人しかいない。

「む…骸?」
「はい」

綱吉が名前を呼べば、にこりと微笑む。
ボンゴレ霧の守護者、六道骸が立っていた。



*―*―* 飴色日和前編 *―*―*



「…骸がなんでここに?」
「クフフ…貴方に会いに来たんですよ」

綱吉が呆れながら聞けば、骸は怪しげな笑みを浮かべながら答える。
そしてカツン…カツンと、靴音を立てながら、ゆっくりとした足取りで綱吉に近寄って来た。
嫌な寒気がし、綱吉はぎゅっと制服の裾を握りしめる。

「さぁ、一緒に帰り」
「嫌だ。」
「即答で拒否ですか…」
「…つーか、ここ並盛中なのになんで骸がいるんだよ?どうやって入って来たんだよっ?!」

綱吉に次々と湧いてくる疑問を骸にぶつけと、骸は笑顔になる。

「クフフ…簡単ですよ…梟になって空」
「それ駄目だからっ!」
「…だって貴方の為に」
「それでも駄目っ!」
「…はぁ……そうですか、次からはちゃんと門から入ることにします」

綱吉のツッコミに、骸は口元を引きつらせながら反省の言葉を述べた。
最近骸のやることはストーカーに近い気がする…と、綱吉は思う。否、確定。

「第一骸は黒曜中の生徒だから入れないだろ…」
「大丈夫ですよ。並中生を襲えば、制服なんて簡単に手に入りますからね。あぁ、顔なんて教師は一々覚えていませんよ」
「……」

さらりと話す骸に、綱吉はもう慣れたとばかりにあきれ果てている。

「(なんとかしてでも俺に会いにくるって…全く、骸や獄寺君とか無茶苦すぎるよ…)」

はぁ…とため息を一つ溢し、ふと過った嫌な予感に寒気がした。

「骸、それに――…」

「綱吉…」

(雲雀さんが来たら…………って……)
と、言いかけたとこで話そうとしていた人物の声が後ろの方から聴こえた。

「ひ……」

ギィィーっと、音がしそうなくらい恐る恐る綱吉は後ろを振り返る。

学ランを羽織り風紀委員の腕章を左腕に付け、真っ黒な髪と同じ吸い込まれそうな漆黒の瞳。
そしていつもより皺寄った眉間の皺が彼の不機嫌さを表していた。

「雲雀さん…」
「やぁ、綱吉」

いつものように、にやぁと笑顔で挨拶した雲雀に、綱吉はため息をつく。
「(……やっぱり雲雀さんだ。噂をすればなんとやらと言うけど…この人噂をする前に現れたよ…)」

「おや…これはこれは…並盛中の風紀委員長、雲雀恭弥君ではありませんか」

にこやかに話す骸に、雲雀は鋭い視線を向けた。
「(……ん?骸と…雲雀さんの組み合わせって…――)」

綱吉の体にゾクリと嫌な感覚が走った。

「…また僕に咬み殺されに来たの?」
「(な…なんか…)」
「クフフ…綱吉君を頂きに来ました」

骸も負けじと笑顔で返すが、そのオッドアイの瞳は笑ってない。

「…咬み殺す」

骸の略奪発言に雲雀は口の端をピクリと引きつらせ、すぐさまトンファーを取り出し構えた。

「クハハハハッ!!望むところですよ」

同じく構える骸に、綱吉は慌てふためく。

「ちょっ…」

二人が戦い始めたら最後。
誰も止められない…だからこそ、綱吉は早く止めないといけないと思い、急いで仲裁にかかった。

「二人共待って下さいっ!」
「……綱吉?」
「……綱吉君?」

二人の間に飛び出た綱吉に、二人は呆けた顔をして動きを止める。

「(…止めたはいいけど…どっ…どうしよ?)」

止めた後を考えていなかった綱吉は、冷や汗をかきつつも無い頭をフル回転させる。…が、結局無い頭ではどうしよもなく、良い案は浮かばなかった…

「えっと…喧嘩はやめて下さい…ね?」

とりあえず止めるように言い、雲雀を見ては骸を見て、また雲雀を見る。
そのオロオロとした様子に雲雀は頬を染め、口元に手を添えそっぽを向く。骸も同じく頬を染めている。綱吉は尚も二人を見上げ続けた。

「……ま、まぁ…綱吉君がそう言うなら止めましょうか」
「うん…仕方ないね」
「はぁ…」

「(良かったーこんなとこで喧嘩始めたら明日から学校来れなくなっちゃうよ…)」
良かった良かったと安堵の息をつくも、嵐は更に悪天候へと変わる。


「で、綱吉」
「綱吉君」

「は…はい…?」

二人に呼ばれ、綱吉はびくりと肩を震わせた。

「(な…なんだ…?背中に寒気がっ!凄く嫌なっ予感が…)」

振り返ったら最後というような感覚。…実際振り返っても振り返らなくても結果は同じだからと振り返ってみた綱吉は、二人の顔を見た途端ひぃぃっと声を出しそうになった。笑顔だが青筋が浮かび目が笑っていない。

「誰と一緒に帰るんだい?」「誰と一緒に帰るんですか」
「え…(誰と…って…)」

綺麗に揃って聴こえた言葉に、頭がくらりとした。




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▼あとがき▼
長くなりそうなので分ける。後編か中編に続くと思う。
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堕天使エレナ
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女性
職業:
学生
趣味:
絵描き 執筆 読書 ゲーム 寝る 妄想 便せん作り
自己紹介:
うえのイラスト画像はいただきもの。
オンラインでは執筆を
オフラインではイラスト中心に活動中デス
ギャルゲー、音ゲー、RPG系、シュミレーションゲームが好き
格ゲーやアクションは苦手

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