忍者ブログ

ビスケット通信

小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

侵食(光就)

※元就語り。明智出てこないです。あと元就が明智に依存しちゃってます。




【侵食】






ああ…眠れぬ…


なかなかな寝付けずに寝返りを繰り返す。
寝床に入ってから既に一刻半は経っているのに、全く眠気が起きない。

仕方なく起き上がり、縁側へと出る。



今宵は満月か…


見上げ、夜空に佇む満月を見つける。
月といえば独眼竜を思い出す…などと思ったが、そんなことはどうでも良いと切り捨て、暫し満月に魅力されたかのように見つめ続けた。
暫くはそうしていたためか、思わず寒さでぶるりと身を震わせる。
夏とはいえど、やはり夜間は冷え込む。

仕方なく何か羽織る物をと思い、渋々自室へと向かう。
歩く床が冷たいと不快に感じ、眉間に皺を寄せた。



不意に何故か、明智の指の冷たさを思いだしてしまい――かといって、氷のように冷たい訳ではないのだが――その場に立ち止まる。
鬱陶しい程にこやかに笑う顔が浮かびかけたが、なんとか振り切り思考断ち切った。
自室に入れば羽織れそうな物を見つけ、肩に掛ける。





縁側に戻ろうかと立ち上がった時

『毛利殿…』

「っ…?!」


流れ込むように聞こえた声に驚いて、びくっと肩を震わせた。
振り返ったりして辺りを見渡すも、
明智どころか誰もおらず(眠らずの番以外)もちろん明智の気配は微塵も無い。


暫くして…それが幻聴だと気付き、羞恥に頬を染めた。

「わ、我が幻聴など…っ…」


最近になっては不意に明智を思い出すようになっていたのは慣れてはいたが、
幻聴…つまり空耳は初めての事で、戸惑い、動揺を感じた。


「……明智…」


己に触れた指先、
さらりと目敏くまとわりつく髪、
地獄に誘うかのように囁く声、
腫れ物を扱うかのように抱き締める腕、
地に引きずり込まれるような瞳、
…とにかく、明智の何もかもが脳内に溢れ、躯が熱に震えた――否、奮えた。

己がこんなにも明智光秀という存在に、心や体の隅々までもが侵食されているという事に、
後悔というか、疑問というか、動揺というか…、なんともいえない複雑な気持ちになる。


「この我を貴様の色に染めた事、どんな重罪より重い罪ぞ…」

悪態を呟くも、本人に直接言ったら精神的ダメージを与えるどころか恐らく、
いや絶対に悦ぶのだろうと計算づき溜息が出た。




今夜は明智来るだろうか。

来たら来たで、
「また来たのか」とか「毎日毎夜飽きないのか」などと嫌みしか言えないのだが、
本当は密かに、明智が来るのを密かに、明智が来るのを毎夜嬉しく思い楽しみにしている。
来てくれて嬉しい、などと明智に言ったら負けなような気がして、絶対に言わないのだが。
それでも最近は少しだけ嬉しいと言えるようになってきたと思う。

そしていつの間にか情事に誘われるような雰囲気になるのも別段、嫌では無い。
寧ろ心の隅で常に期待をし、望んでいる。
だが、そんな事を言えるような口や性格ではなく、
いつも「やめろ」だとか「嫌だ」とか「盛るな」などと拒絶の言葉しか出ない。
故に、「では止めましょうか…」と言われ行為が中止になることもある。

嗚呼…違うのに
本当は無理矢理にでも犯されて、壊れるくらい好きにされたい、
己が愛されていると感じたいと願っているのに。
最初は和姦――だと感じたが明智はそうではなかったらいし――から始まった己と明智の関係だが、
今では愛され気遣われながら行為を進められていると感じる。
とはいえ、最近は少し乱雑に扱われてみたいと思う時がある。
別に被虐体質などとは断じて違うのだが。




…本心を、上手く表現出来ぬ。


もどかしいもどかしい、もどかしい。
もどかしくて、心の臓に針が刺さるような痛みに襲われる。




こんなにも上手く自分の本音を言いたい、伝えたいと思い始めたのは
明智と出会ってから生まれた気持ちの一つ。
明智が己を…狂わせる。

素直になれたらどんなに楽な事か…






家臣の慌てた足取りで走り来る足音が聞こえてきた。

「元就様、明智光秀が城に、」

「騒ぐでない」



胸が、高鳴る。
家臣に無駄な被害が出ないようにと、自室周辺の人払いを命じた。
駆け足で去って行く家臣を一警し、身を翻して寝床へと歩を進める。


無駄な被害を出さないように、というのは表向きな理由であり
本当の理由は何時そういった事…つまり色事があっても大丈夫なように、だ。

大毛利家当主に衆道趣味があるなどと世に知れ渡っては毛利家の恥。
とはいえ、己に衆道趣味が本当にあるという訳ではなく、他の者から見ればそういった趣味があると認識されるという意味だ。




足音をたてずに近付く僅かな気配に、目を細めて笑みを浮かべた。

今夜はどう我を楽しませてくれよう…?





End

あとがき


明智に侵食され、明智に依存してるという感じのお話…を書きたかったハズなのに…
ええ、なんかただのノロケですね(苦笑)
そして最後は途中放棄ではなくあえて途中でストップしてるのですよ。

いやはや…自分が光就にハマるとは思ってもいなかった…
多分茶の影響…かな?



PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

プロフィール

HN:
堕天使エレナ
HP:
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
絵描き 執筆 読書 ゲーム 寝る 妄想 便せん作り
自己紹介:
うえのイラスト画像はいただきもの。
オンラインでは執筆を
オフラインではイラスト中心に活動中デス
ギャルゲー、音ゲー、RPG系、シュミレーションゲームが好き
格ゲーやアクションは苦手

感想・お問い合わせは下記マデ(☆を@に変えてねっ)
datennsierena☆yahoo.co.jp
小説のお仕事、有料無料、業者同人問わず受けます

バーコード

カウンター

アクセス解析

AX
Copyright ©  -- ビスケット通信 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by Didi01 / Powered by [PR]

 / 忍者ブログ