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ビスケット通信

小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。

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ハンティング番外編



雲雀さんと両思い(…だよね?)になってから翌日――

さらなるダメージ(精神的な)がやってきた。


『ハンティング番外編』




それは朝礼での出来事…

「――――を目標に過ごしましょう。以上、これにて朝礼を終―…」
「ちょっと待った」

生徒会の一人が朝礼の締めくくろうとしたとき、雲雀さんが待ったをかけた。
何事かと生徒教師一同は雲雀さんを見る。
前で喋っていた生徒会の人は、何か間違った事を言ったのだろうかと冷や汗をかいていた。
オレも何を言うのだろうかと、雲雀さんを恐る恐る見守る。

「彼奴なに言うんすかね…」
「さ…さぁ…?」

隣の獄寺君は、相変わらず不機嫌そうな顔だ。

少しの沈黙の後(かなり気まずい雰囲気だった)、雲雀さんは静かに、尚且つはっきりと、口を開いた。

「………全校生徒に告ぐ」

その言葉に、下級生から上級生まで、生徒全員に緊張が走る。

「あぁ、教師全員にも」

先生達の方をちらりと見れは、あの生徒はまた何をしでかすのか…という不安気な顔をしている人が殆どだ。


「沢田綱吉は僕の物だから、手をださないように。
もし手を出したら―――咬み殺すから、覚悟しておいてね」


そう笑顔で言い放った雲雀さんに、オレは凍りついた。
……周りの視線が物凄く痛い…。

「それから綱吉」

雲雀さんはオレの方を向き、何故か睨まれる。
…オレ、何もしてませんよ?

「今日は一緒に帰るから、門で待ってなよ」
「…きゃーっ!」

雲雀さんの言葉に、女子の黄色い悲鳴が飛ぶ。
…ああ…もう学校来れない…。

「…煩い。以上」

雲雀さんの低くドスの効いた声の一言で、女子達の話し声はピタリと止んだ。
…さすが並盛住人、皆雲雀さんの怖さを知ってるよ…。

雲雀さんが去った後も、しばらく先生生徒は一歩も動かなかった。





「綱吉、どうかしたの?」
「えっ?」

ハッと気がつけば、いつの間にか夕方、学校帰りになっている。
授業なんて耳に入らなかった。
…寧ろちゃんと授業に出ていたかすら覚えてない。

「僕の話、ちゃんと聞いてた?」
「えっと…すみません、もう一度お願い出来ますか?」
「全く…」

恐る恐る聞けば、雲雀さんの不機嫌な声が聞こえ、俺は身を縮める。

「手」
「はい?」

そっぽを向いたまま差し出だされた手。しばらく俺はそれを眺める。

「…………?」
「…」

こっちを向いた雲雀さんの顔は超不機嫌そう…。

「手、繋がないの?」
「…て?…て…て…手…?!…え、えぇぇっ!!?」

ててて手を繋ぐっ?!
だっ…だって、周り人いるし男同士が手繋いでるとか何もかも恥ずかしいんですけど…

「嫌なの?」
「いっ嫌じゃないですっ!!ででででも人が見てますし…」
「そんなの気にしなければいいじゃない」
「でも…」
「うるさいよ」

わ…わわわっ…!!手繋いじゃったよ…
あ、雲雀さんの手冷たい…

「綱吉の手は暖かいね」
「雲雀さんの手は冷たいです」
「じゃあ綱吉が暖めてよね」
「は…はぁ」

う…うーん?
これでいいのかな…?

…あ…あれ?
そういえば、オレの家に向かってない?
気がつけば、いつの間にか閑静な住宅街。いつもオレが帰り道に使っている道を通っていた。

「あ、あのー…雲雀さん?」
「何?」
「どこに向かってるんですか?」
「綱吉の家」
「なんでまた急に…」

「君の両親に挨拶するから」

「は!?ななな何でっ…」

母さん達に挨拶っ?!え、えぇぇっ!?

「やっぱり付き合ってるからには挨拶しておかないとね」

嘘…ですよね?
全校生徒に知られたあげく更には母さん達にまでっ…

いっ嫌だぁぁっ!!!

「雲雀さん!別に今日じゃなくても…」
「善は急げだよ」

えとえとええと…早く止めないとーっ!!

…って、もうオレの家だ…

も…もう泣きたい…




「ただいまー…」

どんよりとした気分で、ガチャリと家のドアを開け、雲雀さんと一緒に家に入る。

「お帰りなさいツっ君~!…あら、そのカッコいい男の子は誰?」
「えっと…」

…も…もうどうにでもなれ…。

「初めまして。綱吉と同じ学校に通ってる雲雀恭弥と言います」
「恭弥君ね~!いつもうちのツナがお世話になってます。あ、中へどうぞ~」
「こちらこそいつも綱吉と仲良くさせていただき、ありがとうございます。では、お邪魔いたします」

………誰?
今この隣にいる人は誰ですか…?
雲雀さんが敬語でしかも笑顔で話しているのを初めて見て、口があんぐりと開く。…すぐ閉じたけど。

靴を脱いで、二階へと上がって行く途中、雲雀さんが耳打ちしてきた。

「今ので良かったよね?」
「え…えぇ…多分」
「よし、まずは好印象」
「…」

やってやったみたいな満足気な雲雀さん。…意外と演技派かも…。


自分の部屋の扉を開けて、少し後悔。

いや…かなり後悔。
普段から掃除しておけば良かった…。

「すみません…部屋汚くて…」
「別に良いよ。綱吉らしいし」

クスリと笑った雲雀さんに、少しばかり照れる。
オレらしいのかなぁ…
うーん…と悩んでいれば、いつの間にか雲雀さんは部屋の中を探っていた。

「綱吉は漫画好きなんだね」
「あ、はい」

慌てて部屋の入り、ドアを閉めた。
雲雀さんが手にとったのは、先週号のジャンプだった。
雲雀さんは黙々とジャンプを読み始めたので、仕方なく自分も今週号のジャンプを取る。

「あ、あの、面白いですか?」
「うん」
「そうですか…」
「こっち読み終わったらソレ貸してね」
「分かりました…」

ほっと安堵のため息を漏らしてしばらく読みふけっていると、階段を上がってくる音がして、ドアが開いた。

「おやつ持ってきたわよ~」
「ありがと」

お盆を受け取り、マグカップとお菓子の入った皿を机に置く。今日はホットココアと、母さん手製のバタークッキーだ。

「そういえば恭弥君何年生?」
「三年です」
「あらあら!じゃあツナの先輩なのね~」

嬉しそうな母さんと雲雀さんは、笑顔でニコニコと話をしていた。

とりあえず話す事もなさそうなので、クッキーを食べた。

うん、美味しい。
次はココアを――

「お母さん、お話があります」
「何かしら?」

ぶふーっ!!
い…いや…実際吹かなかったけどさ…
びっくりして盛大にココアを吹きそうだった。

「実は…僕、綱吉とお付き合いさせて頂いてるんです」
「……まぁ!そうだったの?んもう、ツっ君たら何も言わないんだから~」

少し呆けてから、母さんは笑顔で喜んでいる。母さん息子が男と付き合ってて疑問に思わないのだろうか…

それに…付き合い始めたの昨日からなんだけど…とは言えない…。

っていうか付き合って翌日挨拶って早すぎですってばっ!!雲雀さん!…これも言えない…。

「恭弥君、ツナをこれからもよろしくお願いね」
「分かりました」

母さんはぺこりと頭を下げて、「あら!もしかしてお邪魔かしらね~!」と言って部屋を出ていった。
…鼻歌を歌いながら、実に上機嫌そうだった。

…。
しばらくの沈黙。
雲雀さんがマグカップを手に取り、一口飲んだ…のかと思ったけど違った。

「熱い…」
「そりゃあホットココアですから熱いですよ」

マグカップを手に取り、ココアに舌をちょん…とつけてみた。

「あちっ…た、確かに熱いですね…」

仕方ないので、ふーふーと冷ましていると、雲雀さんが微笑みながらこちらを見ていた。

「な…何ですか?」
「なんでもないよ。ただ可愛いなぁって思っただけ」
「…そ、そうですか」

改めて雲雀さんに可愛いと言われると、頬が熱くなるのが分かった。

少ししてココアをちょっと飲んでみると、いくらか冷めていたので、ごくりと一口飲む。

「美味しい…」

ココアの甘さに思わず頬が緩む。
その隙にちょんと頬っぺたに何かか当たった感触がした。

「?」

雲雀さんの方を見れば、おとなしくジャンプを読んでいた。…なんだったんだろう?
雲雀さんがマグカップのココアを取り(それオレのだし…)、一口飲む。

「やっぱり熱い…」

少し困りながら呟いた。

…どうやら雲雀さんは猫舌だったらしい。
意外な発見。




「あ」

思い出したようにオレが声を出せば、雲雀さんは不思議そうにこてんと首を傾げた。

「どうしたの?」
「あの…雲雀さん、ゲームでもやりませんか?」
「いいよ」

笑顔で答えが返ってきたので、ちょっとドキリとする。
さて…何のゲームにしようかなぁ…
がさがさとゲームカセットの入ったケースを漁る。
そういえば…

「雲雀さんはどんなゲームが好きですか?」

雲雀さんはいったいどんなゲームをやったことあるのだろうか?パズルゲームとか…かな…?

「ん…あまりゲームをやらないからわからない」
「そうですかー…あ!じゃあこれにしましょう」

そう言ってケースから取り出したのは格闘ゲーム。今流行りの3Dなやつだ。

「…やり方わかんない」

少しいじけたように呟いた雲雀さんに、自信満々でにぱっと笑顔で答える。

「オレが雲雀さんに教えてあげますよ!」
「ならいいよ」

いじけた雲雀さん、可愛かったなぁ…
そんな事を考えながら、ゲームのカセットを本体にセットして、ゲームをやりはじめた。



最初のうちは勝ててたんだけど……
いつの間にか雲雀さんに負け続けていた。

…やっぱり雲雀さんはゲームでも強かった…。操作方法の覚え早いし…。

っていうか…そもそも格闘ゲームにしたのが間違いだったかもしれない。いや…間違いだった。

次やる時は、パズルゲームにしようと決めたオレだった。






結局雲雀さんに惨敗した後、雲雀さんはうちの家で夕食を食べていった。

「じゃあ綱吉、また明日」
「はい、待ってます」

にこっと笑顔で雲雀さんを見送る。

明日は雲雀さんが迎えに来るらしい。

これからも増えていく雲雀さんとの思い出に、胸が弾む。
…今夜眠れるかなぁ…
ちょっと不安になりながらも、オレはわくわくとした期待と共に、家に戻った。




END


▼あとがき▼

ハンティング番外編、雲雀さんとツナくんがお母さんにご挨拶~なお話…のつもりだったんだけどな…いつの間にかツっ君回りに振り回されたてますー的な話な感じに…。

ツナが熱いものをふーふーするのが書けて満足☆
後、何気に雲雀さん猫舌設定☆雲雀さんは猫舌だと思うな…うん。

そして雲雀さんゲームで圧勝。…よくあるんだよなぁ…全く知らないゲームのやり方教えてあげたら凄く上達早かったとか…。
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自己紹介:
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オンラインでは執筆を
オフラインではイラスト中心に活動中デス
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