ビスケット通信
小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。
カテゴリー「リボーン(雲雀×ツナ)」の記事一覧
ハンティング04
- 2009/02/13 (Fri)
- リボーン(雲雀×ツナ) |
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オレが応接室に入ると、やっぱり雲雀さんは鍵を閉めた
仕方なく鞄をテーブルに置いて、ちょこんとソファーに座る
「綱吉、コーヒー飲める?」
「すみません…コーヒーはちょっと…ミルクと砂糖あれば平気ですけど…」
だって苦いんだもん…
あ、雲雀さん今少し笑った…
悲しいけど笑顔が見れて嬉しいし…微妙な感じ
雲雀さんは、コーヒーを2つ持って、オレの隣に座った。って…やっぱり隣なんですか…
そんなツッコミしたら睨まれそうなので、止めておく
「ねぇ、砂糖いくつ入れるの」
「あ、えっと…3つお願いします」
そう答えると雲雀さんは、砂糖の入った小さな陶器の白いポットのフタを開けて、角砂糖を取り出す
――ぽちゃん…ぽちゃん…ぽちゃん…
砂糖が3つ入り、フワァーっと溶けていった
「面白い物見せてあげるよ」
雲雀さんは、ミルクをコーヒーの水面に一滴垂らす
垂らしたにミルクに少し間を開けて、また一滴…それを繰り返して、円で○を描くように垂らしていった
空いた中央に、回りに描いた円より大きめの綺麗な○を作った
「?」
雲雀さんはつまようじを取り出す
そのつまようじを外側にある円にそって動かすと、中央の丸が、ハートが連なるように囲む円になった
「うわぁ…」
凄いなぁ…
雲雀さんはティシュでつまようじを一回拭くと、今度は中央の円に、上から真ん中くらいまで線を引いた
「完成」
「凄い…ハートをハートで囲ってるみたいだ…雲雀さん凄いです!」
雲雀さんって何でも出来るんだなぁ…
この性格さえなんとかすれば人気者になれると思うのに…
「別に、誰でも出来るよ」
「そんなことないですよ!オレ不器用だからこんな綺麗なの作れないですし…」
あはは…と笑うと、雲雀さえは不機嫌そうな顔をした
あれ…オレなんか禁止ワード言っちゃったっけ…
「綱吉、なんで君はそんなに自分を卑下するんだい?」
「え…?」
オレ、そんなつもりは…
「もっと自分に自信を持ちなよ。君が思ってる以上に君は凄いんだから」
「でも…オレ勉強出来ないし、運動もダメだし…」
オレって、ダメツナって名前がピッタリなんだよな…
「それだよ。いつまでも自分はダメだダメだって言ってたら、本当にダメな奴になるよ」
「っ…でも!」
「黙って僕の話を聞かないと首の骨を折るよ」
「ひっ…」
うわっ…雲雀さんトンファーどこに仕舞ってたんですかっ?!
いやそんな事よりトンファーが首にっっ…首にっ…
「もう一度言うよ。綱吉、自分に自信を持ちなよ」
「はっはぃ…」
「もう二度と自分を卑下するような事を言わない事。もし言ったら噛み殺すからね」
噛み殺されるのは後免だ
「わっ…分かりましたからっ!」
「よし、それでこそ僕が惚れた綱吉だよ」
―――ドキリ
え………は?惚れ…
雲雀さんがトンファーを仕舞ってくれた後も、しばらくオレは固まっていた
「コーヒー、冷めるけど」
「…はい、すみません…」
「謝らないの」
「あ、すみません…あ…」
あわわ…
雲雀さんため息ついちゃったよ…どうしようっ…なんか会話しないとっ…
「ねぇ綱吉」
「…なんでしょう?」
「あの犬と付き合ってないよね」
…犬?
犬…犬…あ、獄寺君のことかなぁ…
「獄寺君のこと?」
「そう」
雲雀さん、ちょっと獄寺君が可哀想だよ…犬呼ばわりだなんて
まぁ…そりゃあちょっと犬みたいだけどさぁ…
「多分…付き合ってる…かな?」
ぽつりと答えると、雲雀さんはソファーを立ち上がった
「…噛み殺してくる」
かっ噛み…?!
「えぇっ?!ちょっ…雲雀さん!待って!駄目だよ~っ!」
慌てて雲雀さんの腰にしがみついた
「なんで」
雲雀さんの動きは止まったけど、声は怖いよーっっ…
「だって獄寺君オレに好きだって言ってくれただけだし、オレ返事してないしっっ!」
「ふーん…」
ちょっと声が柔らかくなったようなならないような…
「だから獄寺君を噛み殺さないでっ!」
ぎゅっ…と、腰にしがみつく腕の力を強めた
「…わかった」
「はぁ…よかった」
いやぁ…雲雀さん物分かりのいい人で良かった…
「…ねぇ綱吉」
「なんでしょう」
「僕を誘ってるの?」
「…………………はぃ?」
ヒバリサン…ナニヲイッテルンデスカ…?
しがみついていた腕を離して、恐る恐る雲雀の顔を見上げてみる
「君も大胆だね」
そう言って不気味に妖しくに笑う雲雀さん
「ちちち違いますーーっっ!!そういう意味じゃなくてですねっ…とにかく違うんですっっ!だからそんな嬉しそうに笑わないでくださいいぃぃっ!!!」
あああ…なんか雲雀さん凄い勘違いしてます…
「煩い」
「ちょっと本当に違うんですーっっ!」
「知らない」
「しっ…知らないってなんですかっ!知らないってーっ?!」
訂正
雲雀さんは物分かりの悪い人です…
「じゃあさ」
「…はぃ」
雲雀さん、今度は何を言うんですか…
「僕の事を18回好きって言ってよ」
またこの風紀委員長様は変な事言ってますよー!…って誰かに言いふらしたいけどそんな事言ったら噛み殺されるよな…うん
「あの…何故18回なんですか?」
まさか雲雀さんの18だからとか言わないですよねぇ……
「ヒバリのヒバ=18だから」
マジで言ったーっっ!
なんかもう最近雲雀さんがよく分かるようになってきたような…
やっぱりわからないような…いや、元から何考えてるかよくわからない人だけどさぁ…
「早く言いなよ。言わないなら今すぐここで襲うから」
――ギシリ
ちょっ…マジで?!押し倒されましたよ!!??
雲雀さんの風紀とか秩序はどこいっちゃったんですかっっ!
「分かりました分かりましたからっ!言います言いますっ!!」
もう言うしかないよね、うん
お…襲われたくないもん
「オレは、雲雀さんが、好き、です…好きです好きです…」
「あと15回」
きっちりカウントしてるし…こういうとこは雲雀さんらしいなぁ…なんて
「好き。好きです好きです…」
「あと12回」
…雲雀さんと顔を合わせて言うのむちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…
「好き、です」
でも雲雀さん嬉しそうにだし…
気合いでなんとか!
「好き。好き…雲雀さんが好きです…!」
…でもやっぱり恥ずかしいよっ!!
「あと8回ね」
「はぁー……んぅ?!んーっ!ん…はっ…」
ちょっと雲雀さん?!
「ぷはっ…雲雀さん!キ…スしてたら好きって言えないじゃないですかっっ…」
雲雀さんの唇か濡れてて、なんかなんかっ…うわーっ…
「綱吉が嫌そうな顔したからだよ。それにキスしないとは言ってないけど」
理不尽だよ…
「そんな酷いですっ…」
「ふーん…そう」
クスクスと笑う雲雀さんは、初めて見る笑顔だよ…
…なんか反則
「ひーばりさん♪好き好き好き、好きです♪雲雀さんが…好き。オレは雲雀さんが…好き…」
あ、雲雀さん耳赤い…可愛いー
なんて雲雀さんに言ったらやっぱり怒るんだろうなぁ
「笑わないでよ。…あと一回だから」
好き、好き、好き…
ディーノさんや山本より好き
リボーンや、母さんより、獄寺君よりも好き
っていつからオレ雲雀さんの事好きになったんだろうなぁ…
京子ちゃんより好き…かも…
悔しいけど…雲雀さんなら許せそう
っていうか一番じゃないと噛み殺されるよね…
「オレは雲雀さんが…一番…大好きです」
「だってさ」
……だってさ?
――――カチャ…ガチャリ
…なんでドアが開いたんだよ?
鍵が掛かってるはず…しかも雲雀さんが鍵を持ってるはずで……でも目の前に雲雀さんはいるし…
開いたドアの方を見るとそこにはー…
「ちゃお」
リボーン…なんか雰囲気までが黒いよっっ!
「…じゅ…十代目…」
あああ獄寺君…凄く死にそうな目をしてるよ…
「…綱吉君…そんな…」
骸さん…以前からお断りしてますし他校生で…ツッコミ所多すぎますよ
「沢田殿…」
えええ?フウ太?なんで学校にいるんだよ?!
「そうか、ついにお前らくっついたか。良かったなぁ!ま、おめでとさん」
ディーノさん…目が笑ってないです…
「つーか…なんでお前らいるのっ!?」
「僕が呼んどいた」
なんでーっ?!
「クス…君が僕の物だってあいつらに教えたかったからだよ」
雲雀さん読心術かよっ…
っていうか見せびらかし?!
「雲雀、ツナの教育はしっかりしろよ」
教育?うわぁ…怖いよ…生きて帰れるかなぁ…あはは…
「クフフ…たとえ雲雀の物になろうとも僕は諦めませんよ」
「いい加減諦めて下さいっ!!」
全く骸は諦めが悪いんだから…
「十代目!俺の愛は十代目に届かなかったのですかっ…でも十代目がそいつに泣かされたら俺がぶっ飛ばしてやりますから!」
「沢田殿~っっ!」
「もう二人共泣かないでよ…」
フウ太は泣いてても可愛いよなぁ…って違う違う
「おい恭弥、あっちのスランプになったら俺に相談しろよな」
あっちってなんですかディーノさん…
「大丈夫。スランプなんて有り得ないから」
「二人で意味不明な会話しないで下さいっ!」
「もし10年経ってもそのままだったら俺も混ぜろよ」
「ちょっとリボーンさんまでっすか?!おい雲雀!俺も混ぜやがれっ!」
ってリボーンと獄寺君まで何言ってんだよーっ?!
「クフフ…綱吉君はみんなで仲良くいただきましょうね」
…なんかクラクラしてきたかも…
「嫌だ。綱吉は僕のだから綱吉に近寄るな」
雲雀さんはトンファーを脇で絞めて構えて、戦闘体制
「ちょっと雲雀さん?!」
「クフフー♪綱吉君は渡しません♪これでキズを付ければ綱吉君は僕の物に…」
どこから取り出したんですかーっ!?
「十代目!今こそ悪魔雲雀から十代目を取り返してみせます!」
「そうはさせないよ」
――――カキィーン
―――ズカーン!
――ザクッ
―――キィーン
うわぁ…ソファー高そうなのにぼろぼろになっちゃったよ…
テーブルもガタガタで…
ははは…俺いつになったら帰れるんだろう…
end
**あとがき**
ひとまず終了
フウ太は沢田殿~しか喋ってないですねぇ(苦笑)
雲雀さんが一番所有権あるけど、獄寺君や骸は諦めてません(リボーンやディーノもね)
というわけで…雲雀に落ちるがみんなから愛されるツナendになりました
次回から…ヒバツナは普通にデート話とか?
ゴクツナも同じくよろしくです
番外編のほうはバレンタイン話を書きたい…ゴクツナヒバツナムクツナそれぞれ
なので14日は更新しまくる…予定
ここまで読んでくださりありがとうございました
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ハンティング03
- 2009/02/02 (Mon)
- リボーン(雲雀×ツナ) |
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※綱吉視点に変わります
パタン…
ドアを閉めると、オレは床にへたりこんだ
「……はぁ…」
ほっと安堵のため息
何?コレ?心臓ばくばくだし、めちゃくちゃ顔が熱い…というか全身熱いんだけど……床が冷たくて気持ちいい
…オレ、雲雀さんに…
…って、授業行かないと
床に手をついて立ち上がった
相変わらず廊下は静かで、オレの走る足音が良く響いた
教室に滑り込むと、まだ授業は始まっておらず、慌てて自分の席に座った
「ふぅ…」
良かったー
遅刻は免れた…
「大丈夫っすか、十代目」
斜め右後ろの獄寺君から声をかけられ、どきっとした
「う、うん。大丈夫だったよ」
ドギマギしながらも、笑顔で答えた
獄寺君は「そうっすか。なら良かったです」と言って、他愛のない話をした
―――ガラガラ
「静かにしろー授業を始めるぞー」
数学の教師が入って来たので、退屈な授業が始まった
「――となる訳で、ここでb点から…」
黒板に書かれた事をノートに移す
だが…頭に全然授業の内容は入らない
応接室で言われた、雲雀さんの言葉が頭から離れない
『僕は綱吉が好きだから、綱吉が嫌な事はもうしない』
それってどういうことなのかなぁ…
友達として気に入ってるから好き?雲雀さんの友達っていうと気が引けるけどさ…いざっていう時助かるよな
恋愛…は無いよね、うん。オレ男だし。絶対にそれはな…くないかも…
実際獄寺君に好きだって言われてるわけだしさ
つーか何?なんでオレ男にモテるんだよ…
「め……代目…十代目っ!」
「…えっ?何?」
呼ばれた方に顔を向けると、獄寺君がオレを見下ろしていた
「次移動授業っすよ」
「あ…うん。そうだったね」
辺りを見回すと、皆教室を出ていく
いつの間にか4時限目が終わっていた
5時限目は確か…何だっけ?
「あー獄寺君、次って何の授業だっけ?」
「えーっと…家庭科でけど」
家庭科の教科書を見せながら教えてく…ってヤバーいっ!
「家庭科の教科書忘れたーっっ!」
ぁあ゛ー…先生に怒られる…家庭科の先生怖いんだよなぁー…
「十代目!俺が貸しますよ!」
「それじゃあ獄寺君が怒られるじゃないか…」
「十代目の為ならハバアの説教なんて痒くも痛くもないっすよ!」
でもあの先生の説教長いんだよねー…自分以外が怒られてれば授業短くなるから嬉しいけど
獄寺君が怒られるのは見たくないし…
「いやそれでもさぁ、ただでさえ獄寺君あの先生に問題児として目をつけられてんだからさー」
「なら俺の貸してやろっか?」
ぽんっと肩に手をかけて話しかけて来たのは…やっぱり山本だった
「山本までいいよー」
「いいからいいから!俺なら説教直ぐ終わるし、なっ?」
いやそんな教科書を押し付けて言われても…
「十代目、行きましょう!」
「えっ?あ、ちょっと!」
まだオレ借りるって山本に言ってないしーっ!
…結局山本に教科書を借りて授業を受ける事になった
説教は山本の言った通り直ぐに終わった
理由は、山本の爽やかスマイルに先生が負けたらしい……山本ってもしかしてズル賢いかも?
あはは…そんな訳ないよなぁ
無事1日の授業が終わり、ホームルームになった
ホームルームでは、先生の昔話やらなんやらつまらない話を聞かされる為、殆んど右から左に話は抜ける
ホームルームが終われば放課後。部活に入ってないオレは、いつもならそのまま真っ直ぐ帰る
けど今日は…
『僕に少しでもチャンスがあるなら、放課後にまた来てよ』
そう、今日は応接室に行かなければならない
でも「チャンス」って何?
あれ…さっきもこんな疑問あったような…
…―――あ
僕は君が好きだから
僕に少しでもチャンスがあるなら、放課後にまた来てよ
そう言葉が繋がるなら…意味も分かる
つまりチャンスっていうのは…まだ恋人になれる可能性があるならって事…だよね
「きりーつ!礼、さようならー」
とうとうホームルームが終わってしまった
なんだか…死へのカウントダウンをしてるような感じ…なんか緊張するよー…
「十代目~帰りましょう!」
「…あー…ゴメン、今日は寄ってくとこがあるからさ。獄寺君先に帰っててよ?」
ニコッっと笑って返すと、獄寺君の行動が一時停止した。直ぐに動きだしたけどね
「………あ、じゃあ俺も一緒に」
「先に帰ってて…ね?」
必殺、上目遣いにお願い
「……あ……はい、分かりました…」
予想通り、獄寺君の頬が赤く染まり、ぽーっとしている
やってるほうも恥ずかしいんだけどね…ここは我慢だよな、うん
「ありがとう!じゃあまた明日!」
鞄を持って、教室を飛び出した
後ろを振り返っても、獄寺君は追いかけてこない
はぁ…良かった…
って…なんで獄寺君撒いてきちゃったんだろ…
別に獄寺君連れて行っても良かったのになぁ…っていうかその方が安全だったかも
でも今さら一緒に応接室行こうだなんて言えないよね…
あ、靴持ってかないと
靴があったら獄寺君とか山本怪しむだろうし
オレは勢い良く一階を駆け降りて下駄箱に向かった
「……あれ?」
オレの靴がない?
とたんに嫌な予感が頭を過る
いやいや…んなバカな
「なんか…雲雀さんならやりそうだし…」
オレを帰さない為に靴を隠す…とかさ
そうだよ、早く応接室に行かないと!
オレは慌てて降りてきた階段を駆け上がる
廊下を走り抜けて、応接室のドアの前に立つ
「はー…すーはー…すーはー…」
何回か深呼吸をし、ドアをノックした
―――コンコン
「沢田つ…うわっ?!」
ノックをして名前を言い切らないうちに、ドアが開いた
「遅いよ」
地獄の門を開いたような気分…そして、閻魔大王に会ったような恐ろしさ
「すっすみません…」
「早く入りなよ」
「はっはい!」
じ…地獄より恐ろしい時間になりそう…
**あとがき**
なんつーか…ゲームやってるみたいな感じ
獄寺ルートから雲雀ルートに入るみたいな(バカ)
っていうかやっぱりうちのごっきゅんはヘタレだなー(あはは~)きっと気がついたらツナがいなくておろおろ…靴もないからやっぱり帰ったのか……がーん…みたいな
山本は相変わらず好きビーム送ってるってことで(笑)今編も山本は報われず…山本ファイトだ!いつか山ツナ書くからな!多分…いつか…(汗)
そういえば…今回雲雀出なかった!!回想のとこだけだ…まぁ次回は甘い雲ツナですから(多分)
じゃあ今回もここまで読んでくれてサンキューね!4話もよろしくさ~
パタン…
ドアを閉めると、オレは床にへたりこんだ
「……はぁ…」
ほっと安堵のため息
何?コレ?心臓ばくばくだし、めちゃくちゃ顔が熱い…というか全身熱いんだけど……床が冷たくて気持ちいい
…オレ、雲雀さんに…
…って、授業行かないと
床に手をついて立ち上がった
相変わらず廊下は静かで、オレの走る足音が良く響いた
教室に滑り込むと、まだ授業は始まっておらず、慌てて自分の席に座った
「ふぅ…」
良かったー
遅刻は免れた…
「大丈夫っすか、十代目」
斜め右後ろの獄寺君から声をかけられ、どきっとした
「う、うん。大丈夫だったよ」
ドギマギしながらも、笑顔で答えた
獄寺君は「そうっすか。なら良かったです」と言って、他愛のない話をした
―――ガラガラ
「静かにしろー授業を始めるぞー」
数学の教師が入って来たので、退屈な授業が始まった
「――となる訳で、ここでb点から…」
黒板に書かれた事をノートに移す
だが…頭に全然授業の内容は入らない
応接室で言われた、雲雀さんの言葉が頭から離れない
『僕は綱吉が好きだから、綱吉が嫌な事はもうしない』
それってどういうことなのかなぁ…
友達として気に入ってるから好き?雲雀さんの友達っていうと気が引けるけどさ…いざっていう時助かるよな
恋愛…は無いよね、うん。オレ男だし。絶対にそれはな…くないかも…
実際獄寺君に好きだって言われてるわけだしさ
つーか何?なんでオレ男にモテるんだよ…
「め……代目…十代目っ!」
「…えっ?何?」
呼ばれた方に顔を向けると、獄寺君がオレを見下ろしていた
「次移動授業っすよ」
「あ…うん。そうだったね」
辺りを見回すと、皆教室を出ていく
いつの間にか4時限目が終わっていた
5時限目は確か…何だっけ?
「あー獄寺君、次って何の授業だっけ?」
「えーっと…家庭科でけど」
家庭科の教科書を見せながら教えてく…ってヤバーいっ!
「家庭科の教科書忘れたーっっ!」
ぁあ゛ー…先生に怒られる…家庭科の先生怖いんだよなぁー…
「十代目!俺が貸しますよ!」
「それじゃあ獄寺君が怒られるじゃないか…」
「十代目の為ならハバアの説教なんて痒くも痛くもないっすよ!」
でもあの先生の説教長いんだよねー…自分以外が怒られてれば授業短くなるから嬉しいけど
獄寺君が怒られるのは見たくないし…
「いやそれでもさぁ、ただでさえ獄寺君あの先生に問題児として目をつけられてんだからさー」
「なら俺の貸してやろっか?」
ぽんっと肩に手をかけて話しかけて来たのは…やっぱり山本だった
「山本までいいよー」
「いいからいいから!俺なら説教直ぐ終わるし、なっ?」
いやそんな教科書を押し付けて言われても…
「十代目、行きましょう!」
「えっ?あ、ちょっと!」
まだオレ借りるって山本に言ってないしーっ!
…結局山本に教科書を借りて授業を受ける事になった
説教は山本の言った通り直ぐに終わった
理由は、山本の爽やかスマイルに先生が負けたらしい……山本ってもしかしてズル賢いかも?
あはは…そんな訳ないよなぁ
無事1日の授業が終わり、ホームルームになった
ホームルームでは、先生の昔話やらなんやらつまらない話を聞かされる為、殆んど右から左に話は抜ける
ホームルームが終われば放課後。部活に入ってないオレは、いつもならそのまま真っ直ぐ帰る
けど今日は…
『僕に少しでもチャンスがあるなら、放課後にまた来てよ』
そう、今日は応接室に行かなければならない
でも「チャンス」って何?
あれ…さっきもこんな疑問あったような…
…―――あ
僕は君が好きだから
僕に少しでもチャンスがあるなら、放課後にまた来てよ
そう言葉が繋がるなら…意味も分かる
つまりチャンスっていうのは…まだ恋人になれる可能性があるならって事…だよね
「きりーつ!礼、さようならー」
とうとうホームルームが終わってしまった
なんだか…死へのカウントダウンをしてるような感じ…なんか緊張するよー…
「十代目~帰りましょう!」
「…あー…ゴメン、今日は寄ってくとこがあるからさ。獄寺君先に帰っててよ?」
ニコッっと笑って返すと、獄寺君の行動が一時停止した。直ぐに動きだしたけどね
「………あ、じゃあ俺も一緒に」
「先に帰ってて…ね?」
必殺、上目遣いにお願い
「……あ……はい、分かりました…」
予想通り、獄寺君の頬が赤く染まり、ぽーっとしている
やってるほうも恥ずかしいんだけどね…ここは我慢だよな、うん
「ありがとう!じゃあまた明日!」
鞄を持って、教室を飛び出した
後ろを振り返っても、獄寺君は追いかけてこない
はぁ…良かった…
って…なんで獄寺君撒いてきちゃったんだろ…
別に獄寺君連れて行っても良かったのになぁ…っていうかその方が安全だったかも
でも今さら一緒に応接室行こうだなんて言えないよね…
あ、靴持ってかないと
靴があったら獄寺君とか山本怪しむだろうし
オレは勢い良く一階を駆け降りて下駄箱に向かった
「……あれ?」
オレの靴がない?
とたんに嫌な予感が頭を過る
いやいや…んなバカな
「なんか…雲雀さんならやりそうだし…」
オレを帰さない為に靴を隠す…とかさ
そうだよ、早く応接室に行かないと!
オレは慌てて降りてきた階段を駆け上がる
廊下を走り抜けて、応接室のドアの前に立つ
「はー…すーはー…すーはー…」
何回か深呼吸をし、ドアをノックした
―――コンコン
「沢田つ…うわっ?!」
ノックをして名前を言い切らないうちに、ドアが開いた
「遅いよ」
地獄の門を開いたような気分…そして、閻魔大王に会ったような恐ろしさ
「すっすみません…」
「早く入りなよ」
「はっはい!」
じ…地獄より恐ろしい時間になりそう…
**あとがき**
なんつーか…ゲームやってるみたいな感じ
獄寺ルートから雲雀ルートに入るみたいな(バカ)
っていうかやっぱりうちのごっきゅんはヘタレだなー(あはは~)きっと気がついたらツナがいなくておろおろ…靴もないからやっぱり帰ったのか……がーん…みたいな
山本は相変わらず好きビーム送ってるってことで(笑)今編も山本は報われず…山本ファイトだ!いつか山ツナ書くからな!多分…いつか…(汗)
そういえば…今回雲雀出なかった!!回想のとこだけだ…まぁ次回は甘い雲ツナですから(多分)
じゃあ今回もここまで読んでくれてサンキューね!4話もよろしくさ~
ハンティング02
- 2009/01/28 (Wed)
- リボーン(雲雀×ツナ) |
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雲雀が応接室に入ると、後ろのドアから控えめにノックの音がした
ガチャリと開けて、少し見下ろすと、驚いた表情の綱吉が立っていた
「遅いよ」
嘘
本当は全然遅くない。寧ろ早い
それに、こんな早く来るとは思わなかった。放送を聞いて直ぐ来たに違いない
それが嬉しく思い、綱吉に分からないくらいの笑みを浮かべた
「す…すみません」
何故謝る?あぁ…僕が怒ってると思ったのか…
僕が眉を寄せてちょっと不機嫌そうな顔をすると、綱吉の瞳は、少し怯えた瞳になった
…でもそれは僕の照れ隠しなのは、綱吉は知らないだろうね
「まぁ入ってよ」
少し身を引いて、綱吉が部屋に入れるように、道をあけた
「し…失礼します…」
おずおずと、辺りを伺うように部屋に入る綱吉は、小動物のようで可愛いと思う
―――カシャン
そんな小動物を逃がさないためにも、ドアの鍵を閉めた
「…え?」
(なんで鍵?)
鍵を閉めた音に、綱吉は体をびくっと震わせて、こちらを振り返った
その瞳は、不安と疑問で揺らいでいる
警戒…かな?
「ククッ…大丈夫。いつもの事だから」
「…そうなんですか」
そういっても綱吉の目からは、不安の色が消えない
そんな臆病なとこも、僕は大好きだよ
思わず口元が弛む
「座りなよ」
応接室のど真ん中にある、黒張りのソファーに座り、膝に肘をついて綱吉を見つめた
綱吉は、テーブルを挟んだ向かいのソファーに座る
当たり前だけど、隣に座らせれば良かったと少し後悔して、イラつく
「あの…オレに何の用なんですか?」
膝に手をそろえ、身をギユッと縮こまらせて、綱吉は僕を上目遣いに見ている
緊張してるんだね…触れたら今にも壊れそうだよ
「特に用はないよ」
「は?」
僕の意外な答えに、肩の力が抜けて、普段通りな綱吉の様子に少し戻ったらしい
相変わらず緊張してるけどね
ふと、綱吉の横に置いてあるお弁当に目が行く
「お弁当、食べたら?」
放送は昼休みが始まって直ぐに流したのだから、綱吉はお弁当をまだ食べてないのだろうね…
「えっ?!でっでもここ応接室だしっ!」
「ここは僕の部屋だから気にしなくていいよ」
「そうですか…」
(いつから雲雀さんの部屋になったんですかっっ!)
呆れ顔の綱吉。…まぁ別に気にしないけど
「クスッ…初めからだよ…」
「…?!」
綱吉は、瞳を見開いて驚く
だって君、考えが顔に出てるよ?
でもそれは、綱吉は自覚してないだろうし、かといって教えるほど僕も優しくはない
…だって、綱吉に言ったら面白くないからね
そんなことを考えてるとも知らずに、綱吉はお弁当をテーブルに置き、包みを広げた
蓋を開けると、少し減っているが、色とりどりのおかずが入っている
中身を観察していると、綱吉が話しかけてきた
「あ…そういえば…雲雀さんはお昼食べましたか?」
「まだだよ」
「そうですか…」
いつも食べないけど、そう答えておく
ご飯は…綱吉とか
そう言ったら、君は動揺するだろうね
綱吉は、遠慮がちに箸を取り出した
「美味しそうだね」
「はぁ…ありがとうございます…」
綱吉は、黒豆を一粒つまんで、小さな口に入れた
ご飯を食べている時の君は、とても美味しそうだ
…でも
僕の前でゆっくり食事なんて…させないよ?
計画を実行に出来ると思うと、心が踊り、目を細めた
「僕にも頂戴」
「え?」
綱吉の動きが止まる
僕の素敵な提案に驚いたのかな?
「い…今なんて」
「僕にもそれ頂戴」
お弁当に指を指して、綱吉を見つめた
綱吉は、うーんと考えている
やがて、困った様に目を泳がせていた
(ちょっとここから手を伸ばしても届かないよな…)
「こっちに来なよ」
自分の隣をポンポンと叩く
「あ、はい…」
立ち上がり、お弁当を持ってこちら側に回ってきた
…綱吉さソファーの端っこに座る
「なんでそんなに離れてるわけ?」
「あ、すみません…」
不機嫌な口調で言うと、びくりと肩を震わせて、立ち上がった
少し僕に近づいて座ろうとする
「まだ」
そう言うと、また少し近づいてきた
「まだ…また…OK」
腰や足がぴったりくっつく程の距離で、綱吉を座らせた
「綱吉、ウインナー頂戴」
「…どうぞ」
箸でウインナーをつまんで、僕に差し出してきた
…ちょっと予想外
「クスクス…食べさせてくれるんだ?」
ちょっと意地悪だったかな
「え?あ、だって…」
顔を真っ赤にして…君はやっぱり可愛いなぁ…
ぱくりとウインナーを食べる
塩分が効いてて美味しい
「…普通だね」
綱吉が食べさせてくれるものなら何でも美味しい
「そうですか…」
次は白いご飯…あ、間接キスだね
そんなことで嬉しい僕って、やっぱり綱吉中毒末期かもしれない
食事中の綱吉を堪能していたが、ちょっと飽きた
…作戦開始
「綱吉」
「な、なんですか?」
箸を置いて、首をこちらに向ける
「厚焼き卵」
「えっと…どうぞ」
さっきと同じなんて、駄目だよ?
もちろん…
「口移しで」
綱吉がしばらく固まった
「はぁ?」
やがて口を開いたが、信じられないといった様子で、気の抜けた声を出して、あたふたと動揺している
「ちょっ…雲雀さん…何かの冗談ですよねっ?」
「僕が冗談言うと思ってるの?」
「いいえっ…思いません…」
少しうつ向いて、頬を赤くしている
「……」
ちらりとこちらを見る姿が可愛い
「早くしなよ。嫌だって言ったら噛み殺すよ?」
こうでもしないと君は動かないからね
僕の懐から獲物を取り出して、綱吉に見えるようにする
「――っ!……はぁ」
一瞬、顔が恐怖に染まったが、意を決して厚焼き卵を摘まみ、半分までを唇に挟んで耳まで真っ赤にしながら、僕の前に口をつき出した
「とても美味しいだね」
クスッ…頂きます
厚焼き卵を間に挟んで、かぷっとキスをすると、綱吉はびくっと驚いた
「んっ?!」
頭を引こうとしたけど、僕が後頭部を掴んで阻止
厚焼き卵を挟む唇の隙間から舌を入れて、残りの半分も奪い取る
「んぅ…やっ…」
口の中の厚焼き卵が無くなっても、僕はしばらく止めない
綱吉の反応が可愛くてね…
「ぷはっ…はぁっ…は…」
唇を放すと、唾液が銀色の糸をひいた
綱吉は一生懸命に空気を吸う姿がまた可愛くて、もう一度口づけた
「え?ちょっ…んっ…あ…んんっ…」
唇を軽く舌で舐めると、綱吉は唇を開けた。すかさず舌を割り込み、歯茎をなぞる
シャツを掴んで、必死に僕を押して抵抗しているが、全然力が入っていない
「あ…ぅん…んっんんーっ?!」
舌を吸い上げると、綱吉はうめき声を上げた
可哀想なので、仕方なく「は…もしかしてこういうの初めて?」
「~~っっ!!」
正直だね…
綱吉は顔を赤くし、涙目の瞳を泳がせたが、直ぐに顔をうつ向かせて、小さくこくりと頷いた
「ワォ…驚きだね」
あの犬にもまだされてなかった事をしていると思うと、支配感に満ちてくる
「ふっ…くっ…うぅっ…」
綱吉は、嗚咽を堪え、すすり泣き出した
……そんなに僕のしたことが嫌だったの?
そう思うと、胸がズキズキと痛み、ドロドロとした感情が溢れそうになるが、左手の手のひらに爪を立てて、その気持ちを押さえた
反対の手で、綱吉の頭をそっと撫でる
「綱吉」
出来るだけ優しい声で、ゆっくりと話かけた
綱吉が顔を上げて、僕と目が合うと、頬に涙がツーー…っと溢れた。それを親指できゅっと拭ってやる
「雲雀さ…」
「ごめんね」
綱吉は目を見開いて驚いている
「…雲雀さん…?」
そろそろ授業の予鈴が鳴る
無表情に顔を引き締めて、綱吉に軽く、触れるか触れないくらいのキスをした
「僕は綱吉が好きだから、綱吉が嫌な事はもうしない」
「雲雀さん…」
綱吉の顔が、羞恥に染まっていく
授業の予鈴が、校舎に響いた
「僕に少しでもチャンスがあるなら、放課後にまた来てよ」
「……あ…えっと…」
少し瞼を伏せて、綱吉は困った顔をした
きっと、あの猛犬の事を思い出したのだろう
…もし、まだ犬に完全に落ちてないなら、僕にも勝率はある
「早く行きなよ」
「あ…はい」
綱吉は、ソファーを立ち上がりお辞儀をして、応接室を静かに出ていこうと鍵を開けた時、綱吉に一言告げる
「灰色の狼はもっと凄いことをするからね」
もちろん、僕もだけど…今はまだ我慢
「???」
クスッ…意味、わからないみたいだね
綱吉が応接室を出ていった後も、雲雀はニコニコとしていた
綱吉がどちらを選ぶか
そんなの、絶対僕を選ぶ
だから、きっと彼は放課後、ここに来る
それは、僕の期待であり
確信。
**あとがき**
灰色の狼…獄寺のことですよ~
んー…やっぱり雲雀様はカッコいいですよねー
さて…雲雀は自意識過剰なキャラだよね
僕が好きなんだから君も好きだよね?的な。ヤキモチしまくり、怒ったらら手がつけられない…うちの雲雀様はそんなキャラですね~そしてツナに甘いっ!これに限ります
ドSな雲雀様もいいけどね!ツンデレな具合が絶妙って感じにしたい
そしてみぃ的最強コンボは
雲雀→綱吉←獄寺
ですよね~
その次が
獄寺→綱吉←山本
ですよっ!!
サンド最強最高☆
コホン…
ここまで読んで下さり有難う御座いました
ハンティング01
- 2009/01/25 (Sun)
- リボーン(雲雀×ツナ) |
- TB() |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
以降、家庭教師REBORN!の雲雀恭弥×沢田綱吉のBL小説デス
二次創作やBL、ヒバツナが苦手な方はご遠慮くださいねー
若干微エロ有るかもです…御注意を
朝、雲雀は正門の前に立っていた
並盛中生徒は、皆雲雀を避けて横切っていく
学校に入ってくる生徒を、一人一人確認しては、雲雀は眉間に皺をよせる
その目が、ある特定の人物を捉えると、微かに口元を上げた
(…沢田綱吉)
毎日遅刻ギリギリで来るため、いつも走って学校に来ている
今日も、あの犬と一緒に走っていた
一瞬、綱吉と目が合ったが、そのまま正門を横切って行く
…いつからだろうか
こうして、綱吉と一瞬だけでも目を合わせる度に、心が踊るようになったのは…
初めて合った時は…
ちまっこくて、おどおどしてて、いつも群れている、ただの鬱陶しい草食動物としか思っていなかった
あの不思議な赤ん坊と関わるようになって、初めて自分に見せた鋭い牙に驚き、少し興味を持った
それから、色々な事を知って(調べて)いくうちに、綱吉に更に興味を抱いて、いつしか目で追うようになっていた
…それがなんなのかに初めて気づいた時は、苦笑した
(――――肉食獣が草食動物に囚われるなんてね…)
翌日の朝…
なんとなく早く目が覚めたので、いつもより早く学校に行った
応接室の鍵を開けて、荷物をソファーに放り投げる
窓際に立って、並盛中のグラウンドを眺めた
野球部の朝練生が、グラウンドを均していた
ふと、綱吉がいつも通っている通学路に目をやると、綱吉と犬が歩いていた
時計を見て驚く
(…まだ7時過ぎなのに綱吉が学校に?)
学ランを羽織って、応接室を出た
風のように廊下を走り抜けて、階段を降りる
正門が見えたとこで、走る速度を落とした
いつも立っている場所に立ち、綱吉達を出迎える準備をした
息は上がっていない
いつも綱吉が一緒にいる、山本とかいうのが横切ってから、5分もしないうちに、綱吉が見えてきた
…が
(……っ!!…綱吉と、犬が…手…繋いでる!?)
犬はニコニコとしながら、綱吉と手を繋いでいる
昨日とは違う雰囲気
昨日とは違う綱吉の表情
…無性にイライラして、二人から目を逸らした
握りしめた拳に力を入れすぎて、手のひらに血が滲む
…血の滲んだ手のひらにより、ズキリと心が痛い
(こんな気持ちに初めてさせた責任…取ってもらうよ?)
二人が目の前来たとき、声をかけた
「君ら、群れてるのは鬱陶しいよ?」
「雲雀恭弥っ!」
「雲雀さんっ!?」
綱吉は、目をまん丸に見開いて、こちらを振り向いた
犬…獄寺隼人は、猛犬の如く、敵意剥き出しでこちらを振り向いて睨んできた
「十代目に手出しはさせませんからっ!!」
「獄寺君…」
両手を広げて、綱吉を守っている
後ろの綱吉も、獄寺に隠れるように身を縮めて、こちらを覗き見ている
(犬を噛み殺すのは簡単だよ)
懐に隠した獲物で、犬を切りつければ、簡単に綱吉を手に入れられる
……でもそれだと、綱吉の全て…心までは手に入らない
だから、それだけはしない
「クククッ…獲物を奪うのは簡単だってこと、忘れない方がいいよ」
そういい放つと、綱吉の瞳が不安に揺らぐ
その場を離れて、校舎に歩いていった
―――作戦を早めようか
昼休みになり、応接室を出た
もちろん昼食の為ではない
いつもは応接室から出ないが、今日はあの作戦を実行するために、出来る限りの実務は終わらせておいた
放送室のドアを勢い良く開くと、放送委員が一斉にこちらを何事かと見た
一瞬怒ったような顔をしたが、直ぐに顔を青ざめた
「風紀委員長っ!どっどどどうしたんですかっ?!」
「今日はちょっと放送したいことがあってね。ちょっと貸してくれる?」
「はっはいっ!どうぞどうぞっ!ご自由にいくらでもお使いくださいっっ!!」
ドタバタと椅子から退いて、壁際に走っていった
―――所詮草食動物に過ぎないね
ピンポンパンポーン
鐘のボタンを押すと、お知らせのメロディーが鳴る
次に、マイクのスイッチを押した
「沢田綱吉、沢田綱吉。至急応接室に来るように」
それだけを言って、放送のスイッチを切った
―――これで良し
が、嫌な予感が頭をよぎった
(絶対犬達を引き連れてくる…)
もう一度、お知らせメロディーのボタンを押して、マイクのスイッチを入れた
ピンポンパンポーン
「沢田綱吉、至急応接室に「一人で」来るように」
こうしておけば必ず綱吉は一人で来るのは確信
「君ら、ありがとう」
棒読みのお礼を言って、放送室を後にした
応接室に向かう足は、自分の気持ちと同じで、どんどん早くなる
…今日こそ綱吉を手に入れてみせる
応接室に着くまで、綱吉が何をしたらこうするとか、何を話すかとかを、シュミレーションしつづけた
**あとがき**
獄ツナ小説「十代目とボム」2話のあのシーンですねー
まだ読んでなくて、獄ツナ好きな方はぜひ覗いてみてくださいなー
十代目とボム2話目だと、獄寺→ツナという感じで、ツナはまだ獄寺を好きかよくわかってない状態
そこに雲雀さん登場なわけで…
「十代目とボム」の方では、雲雀の作戦失敗に終わりましたが…
今回の雲雀×ツナ「ハンティング」は成功した話です~
タイトル文字通り雲雀にハンティングされるわけで…(笑)
次回は「十代目とボム」の4話、ツナが応接室で襲われちゃう話のplus版で、ちょっと会話増えてます~
それでは
読んでくださり有難うございましたー
二次創作やBL、ヒバツナが苦手な方はご遠慮くださいねー
若干微エロ有るかもです…御注意を
朝、雲雀は正門の前に立っていた
並盛中生徒は、皆雲雀を避けて横切っていく
学校に入ってくる生徒を、一人一人確認しては、雲雀は眉間に皺をよせる
その目が、ある特定の人物を捉えると、微かに口元を上げた
(…沢田綱吉)
毎日遅刻ギリギリで来るため、いつも走って学校に来ている
今日も、あの犬と一緒に走っていた
一瞬、綱吉と目が合ったが、そのまま正門を横切って行く
…いつからだろうか
こうして、綱吉と一瞬だけでも目を合わせる度に、心が踊るようになったのは…
初めて合った時は…
ちまっこくて、おどおどしてて、いつも群れている、ただの鬱陶しい草食動物としか思っていなかった
あの不思議な赤ん坊と関わるようになって、初めて自分に見せた鋭い牙に驚き、少し興味を持った
それから、色々な事を知って(調べて)いくうちに、綱吉に更に興味を抱いて、いつしか目で追うようになっていた
…それがなんなのかに初めて気づいた時は、苦笑した
(――――肉食獣が草食動物に囚われるなんてね…)
翌日の朝…
なんとなく早く目が覚めたので、いつもより早く学校に行った
応接室の鍵を開けて、荷物をソファーに放り投げる
窓際に立って、並盛中のグラウンドを眺めた
野球部の朝練生が、グラウンドを均していた
ふと、綱吉がいつも通っている通学路に目をやると、綱吉と犬が歩いていた
時計を見て驚く
(…まだ7時過ぎなのに綱吉が学校に?)
学ランを羽織って、応接室を出た
風のように廊下を走り抜けて、階段を降りる
正門が見えたとこで、走る速度を落とした
いつも立っている場所に立ち、綱吉達を出迎える準備をした
息は上がっていない
いつも綱吉が一緒にいる、山本とかいうのが横切ってから、5分もしないうちに、綱吉が見えてきた
…が
(……っ!!…綱吉と、犬が…手…繋いでる!?)
犬はニコニコとしながら、綱吉と手を繋いでいる
昨日とは違う雰囲気
昨日とは違う綱吉の表情
…無性にイライラして、二人から目を逸らした
握りしめた拳に力を入れすぎて、手のひらに血が滲む
…血の滲んだ手のひらにより、ズキリと心が痛い
(こんな気持ちに初めてさせた責任…取ってもらうよ?)
二人が目の前来たとき、声をかけた
「君ら、群れてるのは鬱陶しいよ?」
「雲雀恭弥っ!」
「雲雀さんっ!?」
綱吉は、目をまん丸に見開いて、こちらを振り向いた
犬…獄寺隼人は、猛犬の如く、敵意剥き出しでこちらを振り向いて睨んできた
「十代目に手出しはさせませんからっ!!」
「獄寺君…」
両手を広げて、綱吉を守っている
後ろの綱吉も、獄寺に隠れるように身を縮めて、こちらを覗き見ている
(犬を噛み殺すのは簡単だよ)
懐に隠した獲物で、犬を切りつければ、簡単に綱吉を手に入れられる
……でもそれだと、綱吉の全て…心までは手に入らない
だから、それだけはしない
「クククッ…獲物を奪うのは簡単だってこと、忘れない方がいいよ」
そういい放つと、綱吉の瞳が不安に揺らぐ
その場を離れて、校舎に歩いていった
―――作戦を早めようか
昼休みになり、応接室を出た
もちろん昼食の為ではない
いつもは応接室から出ないが、今日はあの作戦を実行するために、出来る限りの実務は終わらせておいた
放送室のドアを勢い良く開くと、放送委員が一斉にこちらを何事かと見た
一瞬怒ったような顔をしたが、直ぐに顔を青ざめた
「風紀委員長っ!どっどどどうしたんですかっ?!」
「今日はちょっと放送したいことがあってね。ちょっと貸してくれる?」
「はっはいっ!どうぞどうぞっ!ご自由にいくらでもお使いくださいっっ!!」
ドタバタと椅子から退いて、壁際に走っていった
―――所詮草食動物に過ぎないね
ピンポンパンポーン
鐘のボタンを押すと、お知らせのメロディーが鳴る
次に、マイクのスイッチを押した
「沢田綱吉、沢田綱吉。至急応接室に来るように」
それだけを言って、放送のスイッチを切った
―――これで良し
が、嫌な予感が頭をよぎった
(絶対犬達を引き連れてくる…)
もう一度、お知らせメロディーのボタンを押して、マイクのスイッチを入れた
ピンポンパンポーン
「沢田綱吉、至急応接室に「一人で」来るように」
こうしておけば必ず綱吉は一人で来るのは確信
「君ら、ありがとう」
棒読みのお礼を言って、放送室を後にした
応接室に向かう足は、自分の気持ちと同じで、どんどん早くなる
…今日こそ綱吉を手に入れてみせる
応接室に着くまで、綱吉が何をしたらこうするとか、何を話すかとかを、シュミレーションしつづけた
**あとがき**
獄ツナ小説「十代目とボム」2話のあのシーンですねー
まだ読んでなくて、獄ツナ好きな方はぜひ覗いてみてくださいなー
十代目とボム2話目だと、獄寺→ツナという感じで、ツナはまだ獄寺を好きかよくわかってない状態
そこに雲雀さん登場なわけで…
「十代目とボム」の方では、雲雀の作戦失敗に終わりましたが…
今回の雲雀×ツナ「ハンティング」は成功した話です~
タイトル文字通り雲雀にハンティングされるわけで…(笑)
次回は「十代目とボム」の4話、ツナが応接室で襲われちゃう話のplus版で、ちょっと会話増えてます~
それでは
読んでくださり有難うございましたー
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