ビスケット通信
小説(とたまに絵)を書いてるブログです。 現在更新ジャンルは本館で公開した物の再UP中心。 戦国BASARAやお題など。
飴色日和後編
- 2009/06/11 (Thu)
- おしらせとか戯言とか |
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「誰と一緒に帰るんだい?」「誰と一緒に帰るんですか」
「…え?」
綺麗に揃って聴こえた言葉に、頭がくらりとした。
「(こういう時は息が合うんだよな…。いつもこうならいいのに…)」
*―*―* 飴色日和後編 *―*―*
「もちろん僕と帰るんだよね?」
雲雀は笑顔だが、目は笑ってない。
「いえ、僕と帰るんですよね?誘ったのは僕が先ですから」
骸の言葉に雲雀はまたカチリときたらしく、綱吉を後ろから抱きしめ骸を睨む。
「君、何言ってるの?綱吉は僕と帰りたいに決まってるじゃない。そうだよね、綱吉?」
「うわっ!…って…オレどっちかと帰るのは決定済みなんですか?!オレに拒否権とか」
「無いよ」「無いですね」
またもや綺麗に揃って二人同時に否定された事に、綱吉はガクッと項垂れた。
「…はぁ」
とはいっても雲雀に抱きしめられているので、首をぐったりと曲げたくらいだが。
「(無いんですか…つーか心読まないでよ…リボーンじゃないんだから)」
「貴方は分かりやすいですからね」
「顔に書いてあるよ」
え?マジ?顔に書いてあるのっ?!とばかりにびっくりし、顔を擦る。その様子を見て雲雀がクツクツと笑った(その隙に綱吉が逃げようとしたが駄目だった)。骸もクハハッと独特の笑い声を上げている。
「綱吉…例えだよ」
「実際顔に書いてはありませんから、ご安心下さい」
とんでもなく大きな勘違いをしていた事に気付き(普通は気付くが)、恥ずかしさに綱吉の顔は真っ赤になった。それはそれは可愛らしく。
「綱吉君…」
「(…?なんか骸の頬赤いんだけど…風邪…かな?)」
それは風邪でもなく、ただ単に真っ赤になって恥ずかしがっている綱吉が原因である。
もちろん綱吉がそれに今気付く事は無い。
「綱吉…」
「???」
雲雀も同じ理由で頬が少し赤い。
そして二人同時にゆらりと綱吉に近づいた。
「な…何?」
綱吉はガタガタと震えそうになるが、なんとか抑えている。
「綱吉…今日こそ僕の物になりなよ」
「…は?」
「綱吉君、契約より契りを僕と交わしましょう」
「ち…ちぎ…?」
訳が解らず綱吉がおろおろしていると、二人が相手をチラリと見る。
「「(コイツさえいなければ…)」」
…両者考えている事は同じだった。
「六道骸…君、ストレート過ぎるんじゃない?だから綱吉に嫌われるんだよ」
「クハハッ!貴方こそ遠回しに言い過ぎなのでは?」
最初に攻撃に出たのは雲雀だったが、骸は笑顔に勝ち誇ったように雲雀に反撃をする。
二人の間に挟まれた綱吉は、火花がバチバチと発生しているのが見えるような気がしてきた。
「(なんか逃げたほうが良さそうな気がする…本能的な危機感みたいな…)」
綱吉の超直感が生命の危機を知らせていた。だが、現在は雲雀の腕の中。脱出は不可能に近い。いや、不可能だ。
「僕はじっくり進める方でね」
雲雀は今にも武器を振り回しそうな殺気だ。それに対して骸は笑顔で言葉を返す。
「そんな臆病な恋愛の仕方だから貴方はいつまでたっても綱吉君を手に入れられないんですよ。僕のように積極的にならないと」
クフンと誇るように骸が笑えば、雲雀のこめかみがピクリと引くついた。
雲雀のその変化を確認した骸は、更に上機嫌でびしりと言い放つ。
「貴方のような恋愛一年生に何が出来ぐふっ?!」
びしりと言い放つ前に雲雀のトンファーが骸の額に痛恨の一撃をクリティカルヒットさせた!
「なっ何なんですか!!人の話は最後まで聞きなさいと教わらなかったんですか?!」
額から血をだらだらと流しながらめそめそと泣き出した骸に、綱吉は哀れみの視線(一瞬)を向けた。
「ちょっ…雲雀さん!ダメですよっ!」
咎めるように綱吉が雲雀に声をかけたのを見て、骸の表情がぱあっと明るくなる。
「そうですよ、人を傷付けてはいけませんと習わなかったんですか雲雀恭」
「雲雀さんのトンファーが汚れるじゃないですか!」
「…あぁ、そうだね」
ごしごしと雲雀はトンファーに付いた血をハンカチで拭う。そして近くのゴミ箱へ投げた。
「ちょっと!僕をバイ菌か何かと勘違いしてませんかっ?!」
「「うん」」
二人同時に頷かれ、骸は自称ガラスのハートにキズがついたらしい。
「綱吉、後で手洗いとうがいちゃんとしようね」
「はい」
「だから僕はバイ菌じゃないで」
「煩いよ南国卑猥果物」
「黙れ変態パイナップル」
「…っ!!」
「綱吉、帰るよ」
「はい、雲雀さん!」
泣きながら走り去っていく骸は、今度こそガラスのハートが粉々に砕けたとか。
END
▼あとがき▼
いつの間にかギャグ話に…。骸がー(笑)
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飴色日和前編
- 2009/06/10 (Wed)
- おしらせとか戯言とか |
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「綱吉君!」
「え?」
学校が終わり、綱吉が下駄箱に上履きを仕舞っていると、いきなりかけられた声に驚き、その声のした方向に振り向く。
青の髪。
左目が髪の毛と同じ青。
もう片方の右目は赤のオッドアイで、六の文字が浮―――…ここまできたらあの人しかいない。
「む…骸?」
「はい」
綱吉が名前を呼べば、にこりと微笑む。
ボンゴレ霧の守護者、六道骸が立っていた。
*―*―* 飴色日和前編 *―*―*
「…骸がなんでここに?」
「クフフ…貴方に会いに来たんですよ」
綱吉が呆れながら聞けば、骸は怪しげな笑みを浮かべながら答える。
そしてカツン…カツンと、靴音を立てながら、ゆっくりとした足取りで綱吉に近寄って来た。
嫌な寒気がし、綱吉はぎゅっと制服の裾を握りしめる。
「さぁ、一緒に帰り」
「嫌だ。」
「即答で拒否ですか…」
「…つーか、ここ並盛中なのになんで骸がいるんだよ?どうやって入って来たんだよっ?!」
綱吉に次々と湧いてくる疑問を骸にぶつけと、骸は笑顔になる。
「クフフ…簡単ですよ…梟になって空」
「それ駄目だからっ!」
「…だって貴方の為に」
「それでも駄目っ!」
「…はぁ……そうですか、次からはちゃんと門から入ることにします」
綱吉のツッコミに、骸は口元を引きつらせながら反省の言葉を述べた。
最近骸のやることはストーカーに近い気がする…と、綱吉は思う。否、確定。
「第一骸は黒曜中の生徒だから入れないだろ…」
「大丈夫ですよ。並中生を襲えば、制服なんて簡単に手に入りますからね。あぁ、顔なんて教師は一々覚えていませんよ」
「……」
さらりと話す骸に、綱吉はもう慣れたとばかりにあきれ果てている。
「(なんとかしてでも俺に会いにくるって…全く、骸や獄寺君とか無茶苦すぎるよ…)」
はぁ…とため息を一つ溢し、ふと過った嫌な予感に寒気がした。
「骸、それに――…」
「綱吉…」
(雲雀さんが来たら…………って……)
と、言いかけたとこで話そうとしていた人物の声が後ろの方から聴こえた。
「ひ……」
ギィィーっと、音がしそうなくらい恐る恐る綱吉は後ろを振り返る。
学ランを羽織り風紀委員の腕章を左腕に付け、真っ黒な髪と同じ吸い込まれそうな漆黒の瞳。
そしていつもより皺寄った眉間の皺が彼の不機嫌さを表していた。
「雲雀さん…」
「やぁ、綱吉」
いつものように、にやぁと笑顔で挨拶した雲雀に、綱吉はため息をつく。
「(……やっぱり雲雀さんだ。噂をすればなんとやらと言うけど…この人噂をする前に現れたよ…)」
「おや…これはこれは…並盛中の風紀委員長、雲雀恭弥君ではありませんか」
にこやかに話す骸に、雲雀は鋭い視線を向けた。
「(……ん?骸と…雲雀さんの組み合わせって…――)」
綱吉の体にゾクリと嫌な感覚が走った。
「…また僕に咬み殺されに来たの?」
「(な…なんか…)」
「クフフ…綱吉君を頂きに来ました」
骸も負けじと笑顔で返すが、そのオッドアイの瞳は笑ってない。
「…咬み殺す」
骸の略奪発言に雲雀は口の端をピクリと引きつらせ、すぐさまトンファーを取り出し構えた。
「クハハハハッ!!望むところですよ」
同じく構える骸に、綱吉は慌てふためく。
「ちょっ…」
二人が戦い始めたら最後。
誰も止められない…だからこそ、綱吉は早く止めないといけないと思い、急いで仲裁にかかった。
「二人共待って下さいっ!」
「……綱吉?」
「……綱吉君?」
二人の間に飛び出た綱吉に、二人は呆けた顔をして動きを止める。
「(…止めたはいいけど…どっ…どうしよ?)」
止めた後を考えていなかった綱吉は、冷や汗をかきつつも無い頭をフル回転させる。…が、結局無い頭ではどうしよもなく、良い案は浮かばなかった…
「えっと…喧嘩はやめて下さい…ね?」
とりあえず止めるように言い、雲雀を見ては骸を見て、また雲雀を見る。
そのオロオロとした様子に雲雀は頬を染め、口元に手を添えそっぽを向く。骸も同じく頬を染めている。綱吉は尚も二人を見上げ続けた。
「……ま、まぁ…綱吉君がそう言うなら止めましょうか」
「うん…仕方ないね」
「はぁ…」
「(良かったーこんなとこで喧嘩始めたら明日から学校来れなくなっちゃうよ…)」
良かった良かったと安堵の息をつくも、嵐は更に悪天候へと変わる。
「で、綱吉」
「綱吉君」
「は…はい…?」
二人に呼ばれ、綱吉はびくりと肩を震わせた。
「(な…なんだ…?背中に寒気がっ!凄く嫌なっ予感が…)」
振り返ったら最後というような感覚。…実際振り返っても振り返らなくても結果は同じだからと振り返ってみた綱吉は、二人の顔を見た途端ひぃぃっと声を出しそうになった。笑顔だが青筋が浮かび目が笑っていない。
「誰と一緒に帰るんだい?」「誰と一緒に帰るんですか」
「え…(誰と…って…)」
綺麗に揃って聴こえた言葉に、頭がくらりとした。
NEXT
▼あとがき▼
長くなりそうなので分ける。後編か中編に続くと思う。
六道骸の誕生日
※スレツナ、骸キャラ崩壊故に注意(笑)
OKな人はスクロール
↓
↓
↓
クフフフフ…とうとうやって来ましたね…
6月9日。
――僕の誕生日です。
*―*―* 六道骸の誕生日 *―*―*
…つまりですね、今日は僕が主役という事です!
という事は僕が何をしてもいい日ですね(違う)
…まぁ、今日くらいあの少年の所に行ってあげましょうか。
「おはようございます、綱吉君」
「!零地点突…んん゛っ?!」
おやおや…僕を見ていきなり攻撃するだなんて、酷いですねぇ…まあ、そこもまたそそりますが。
そんなツンデレな彼の口を塞げば―あ、もちろん手で、ですよ?―彼はモゴモゴと叫びながらじたばたしだした。
「綱吉君、今日は何の日か分かりますか?」
「……………?」
……なんですかそのコイツ何いちゃってんの的な目は。
とりあえず口を塞いでいる手は退けてあげましょう。このままでも十分楽しいのですが、可愛い綱吉君の声が聞けませんからねぇ…
「なんだいきなり」
「今日は特別な日ですよ、分かりませんか?」
「知らん」
クフフ…往生際の悪い貴方も可愛いらしい…
「照れなくてもいいんですよ?」
「鬱陶しいぞ南国果物」
「あだ名ですか?」
「お前ただの馬鹿だろ」
しかめっ面な貴方も可愛いら…ではないですね。
今日は僕の誕生日。是非彼の口から言わせたいです。
「南国果物、いい加減退け。俺は学校に行かないといけないんだ」
「いえいえ、この体制が気に入りましたからお気にせず」
貴方を見下ろすこの体制…クハハッ!イイですね!
(バシンっ!!)
…?
「暫く寝てろ」
「……」
あぁ…どうやら僕は床に倒れているようです…。
彼のパンチはまた一段と強くなった気がします。これも愛情の裏返しですかね。
「骸…ニヤニヤするな。ウザい」
今日も朝から綱吉君はご機嫌ナナメですねぇ…何かあったんでしょうか?
「お前のせいで不機嫌なんだ」
「クハハハハッ!綱吉君また読心術ですか。そんなに僕が知りたいなら直接言」
「それ以上言うと口にパイナップル詰め込むぞ」
「冗談ですよ。クフフ、怖いですね」
まあ僕は綱吉君になら何されても嬉しいですけど(コイツMだろ)。
…あぁ、ナニは僕がする方が好きですがね。
「オイ、むく」
「遅刻しますよ?(汗)」
殺気を立てた彼を学校に行くよう急かせば、彼は鞄に教科書類を詰め始めた。
「前日の内に用意しておいてはいかがですか?」
「黙れ。つーか部屋から出てけよ」
「何故ですか?」
「着替えるんだよ」
綱吉君が着替え…おっと、今危うく妄想スイッチが入るとこでした。
「じゃあ僕はここで見てます」
「…」
「そんなに見詰めてどうしたんですか?あ、もしかして僕の顔に見とれ」
(ゴンッ!)
「南国に変えれよパイナップル頭。さっさと出ていかないとお前の大事なものを輪切りにしてやるぞ」
「そ…それだけは勘弁してください…(涙)」
「覗くなよ」
壁に叩きつけられた頭を擦り、苦笑しながら部屋を出れば不機嫌そうな彼の声。
やっぱり素直じゃないんですから~
クフフ…★クハハハハッ!
クフフークフフークフフフフーン♪
「そのウザい鼻歌止めろ。吐き気がする」
「おや、ツワリですか?きっと僕と貴方の子ですから可愛いでしょうね…」
(ズバコンッ!)
「ちょっ…顔は止めてください…」
部屋から制服姿で出てきた彼は不機嫌な素振り(本当に不機嫌でである)、そんな彼にジョークを言ったら鞄で顔面殴られました。…今日は教科書多いんですね。いつもより破壊力あります。
「僕の美顔が台無しになったらどうするんですか?!もちろん責任取ってお嫁に……あぁっ!置いていかないで下さい!」
「…。お前朝飯食ってく気が…」
「ええ、もちろん」
「全く…」
ぶつぶつと言いながらもお母様に了承を得ている彼。やっぱりツンデレですねぇ…クハッ…あ、今ちょっと壊れましたがお気にせず…クフフフフ…
「その笑い方キモい」
「クハハハハッ!ありがとうございます」
「お前意味不明…」
「それより今日なんの日か思い出してくれましたか?」
「そういえば今日はテストがあるんだったな」
えぇ、そうで…って違う!!確かにテストありますがそうじゃない!
さてどうしたら良いものでしょうか…
クフン…
「行ってきまーす」
「え゛ぇっ?!」
ちょっ…綱吉君いつの間にっ…(そして骸から逃げられた事にも気づかない)
まあいいでしょう…帰って来たら無理やり思い出させてあげましょうかね。クフフフフ…
「六道君、おかわり入る?」
「あ、はい。もちろんで…って僕の方が遅刻するじゃないですか!!」
すっかり忘れていましたが僕は黒曜中の生徒。つまり隣町な訳でして…
綱吉君はこの時間で間に合っても僕は遅刻なんですよ!!
「すみませんお母様…おかわりはまた今度ということで…」
「大丈夫よーいつでも待ってるわよ~」
なんとお優しいお母様っ…!!
「それでは行ってまいります」
「行ってらっしゃい!車に気をつけるのよ~」
…こんな家庭だったら、僕も幸せだったかもしれませんね…
そして学校が終わり並盛中の正門前で待ち伏せしていると、綱吉君が歩いて来るのが見えました。…他三名と共に。
「ちょっと…雲雀さん離して下さい!」
「ヤダ」
「十代目!!大丈夫ですか?!」
「無理やりは良くないのなー(黒笑)」
綱吉君は雲雀恭弥に手を引かれ走って通り過ぎて行きました…その他二名も後を追っていきました…。
それより…
「どうして僕に気付かなかったんですかーっ!!」
ほら、今だって注目を浴びていますし。僕カッコいい上に黒曜の制服ですからね。目立つのも当たり前です。
(ちなみに実際骸が注目を浴びていたのはその変な頭と一人で叫んでいた怪しさなどが理由である)
さて…現在沢田家綱吉君の部屋に居ます。
もちろん彼が帰ってくるのを待ち伏せするためです☆
「早く帰って来ませんかねぇ…」
暇なので部屋でも漁りますか…
まずはベッドの下。…何もありませんね…。
次はタンスの中。…やっぱり何もありませんか…。
綱吉君いったいどこに隠してるんでしょうかね…?
(ガチャリ)
「あ、綱吉君!」
(ヒュッ)
「おっと…お帰りなさい綱吉君」
「チッ…不法侵入者出てけよ。いや、不法侵入物か」
飛んできた何かを避ける。
綱吉君って狂愛なんですかね?(違う)
「今日は何の日か――」
(バタン)
「…?」
聞く前にドアを閉められてしまいました…
照れ屋さんですね♪(違う)
さて彼を追いかけ…おや?ドアが開きませんねぇ…
仕方ないですね。待ちましょう。
(ガチャリ)
「綱吉君遅いですよ」
「お前まだ居たのか…」
呆れた顔もまた良いですね~
彼はどんな表情でも好きです。怒った顔もまた良いんですよ?
「…」
「あ、寝るんですか?早いですが僕も一緒グフッ!」
「煩い」
嫌よ嫌よも好きの内ですね…クフフフフ…
さて、本題に入りましょう。
「実は今日、僕」
「骸の誕生日だろ」
…え?!
「お…覚えていたんですか?」
「当たり前だろ」
「~っ!ではプレゼントは…」
「それ」
そういって指で指された先を見ていくと…
先ほど投げつけたられた何かがあります。
「これは…?」
「プレゼント」
なんともいえない形をしています…パイナップルのマスコットでしょうか…?
ですがパイナップルは青くないですし…
「これは何ですか?」
「見ればわかるだろ。お前の顔に決まってるじゃないか」
「え…」
ああ…よく見たらそうも見えなくもなくないですね…はい。
「なんだその不服そうな顔は。いらないんなら燃やしてもいいんだぞ」
「いえいえ、ありがとうございます」
不恰好なマスコットは、所々ほつれています。つまりこれは綱吉君の手作りというわけで…
「綱吉君僕も愛し」
「零地点突破・改」
クハハハハッ!
プレゼントをもらった今なら氷付けになっても幸せですよ。
クフフフフ
「おいツナ、その彫刻は何だ?」
「ゴミ」
「うぜぇゴミだな。捨ててくるか」
「宜しくリボーン」
…捨てる?アルコバレーノにどこかに運ばれて…
つ、綱吉君ーっ!!助けて下さいーっ!
綱吉君ー!!
End
▼あとがき▼
うん、スレツナ(笑)
そして骸がウザい&変態&ストーカー。あ、合ってるか(笑)
もう無礼講だぁぁ!
この骸誕生日おめでとう小説はfree配布です!
サイトにupする際は私が書いた事記載でお願いしますね。
リンクは自由ですー
とにかく、骸さん誕生日おめでとうー!
ハンティング番外編
- 2009/06/05 (Fri)
- リボーン(雲雀×ツナ) |
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雲雀さんと両思い(…だよね?)になってから翌日――
さらなるダメージ(精神的な)がやってきた。
『ハンティング番外編』
それは朝礼での出来事…
「――――を目標に過ごしましょう。以上、これにて朝礼を終―…」
「ちょっと待った」
生徒会の一人が朝礼の締めくくろうとしたとき、雲雀さんが待ったをかけた。
何事かと生徒教師一同は雲雀さんを見る。
前で喋っていた生徒会の人は、何か間違った事を言ったのだろうかと冷や汗をかいていた。
オレも何を言うのだろうかと、雲雀さんを恐る恐る見守る。
「彼奴なに言うんすかね…」
「さ…さぁ…?」
隣の獄寺君は、相変わらず不機嫌そうな顔だ。
少しの沈黙の後(かなり気まずい雰囲気だった)、雲雀さんは静かに、尚且つはっきりと、口を開いた。
「………全校生徒に告ぐ」
その言葉に、下級生から上級生まで、生徒全員に緊張が走る。
「あぁ、教師全員にも」
先生達の方をちらりと見れは、あの生徒はまた何をしでかすのか…という不安気な顔をしている人が殆どだ。
「沢田綱吉は僕の物だから、手をださないように。
もし手を出したら―――咬み殺すから、覚悟しておいてね」
そう笑顔で言い放った雲雀さんに、オレは凍りついた。
……周りの視線が物凄く痛い…。
「それから綱吉」
雲雀さんはオレの方を向き、何故か睨まれる。
…オレ、何もしてませんよ?
「今日は一緒に帰るから、門で待ってなよ」
「…きゃーっ!」
雲雀さんの言葉に、女子の黄色い悲鳴が飛ぶ。
…ああ…もう学校来れない…。
「…煩い。以上」
雲雀さんの低くドスの効いた声の一言で、女子達の話し声はピタリと止んだ。
…さすが並盛住人、皆雲雀さんの怖さを知ってるよ…。
雲雀さんが去った後も、しばらく先生生徒は一歩も動かなかった。
「綱吉、どうかしたの?」
「えっ?」
ハッと気がつけば、いつの間にか夕方、学校帰りになっている。
授業なんて耳に入らなかった。
…寧ろちゃんと授業に出ていたかすら覚えてない。
「僕の話、ちゃんと聞いてた?」
「えっと…すみません、もう一度お願い出来ますか?」
「全く…」
恐る恐る聞けば、雲雀さんの不機嫌な声が聞こえ、俺は身を縮める。
「手」
「はい?」
そっぽを向いたまま差し出だされた手。しばらく俺はそれを眺める。
「…………?」
「…」
こっちを向いた雲雀さんの顔は超不機嫌そう…。
「手、繋がないの?」
「…て?…て…て…手…?!…え、えぇぇっ!!?」
ててて手を繋ぐっ?!
だっ…だって、周り人いるし男同士が手繋いでるとか何もかも恥ずかしいんですけど…
「嫌なの?」
「いっ嫌じゃないですっ!!ででででも人が見てますし…」
「そんなの気にしなければいいじゃない」
「でも…」
「うるさいよ」
わ…わわわっ…!!手繋いじゃったよ…
あ、雲雀さんの手冷たい…
「綱吉の手は暖かいね」
「雲雀さんの手は冷たいです」
「じゃあ綱吉が暖めてよね」
「は…はぁ」
う…うーん?
これでいいのかな…?
…あ…あれ?
そういえば、オレの家に向かってない?
気がつけば、いつの間にか閑静な住宅街。いつもオレが帰り道に使っている道を通っていた。
「あ、あのー…雲雀さん?」
「何?」
「どこに向かってるんですか?」
「綱吉の家」
「なんでまた急に…」
「君の両親に挨拶するから」
「は!?ななな何でっ…」
母さん達に挨拶っ?!え、えぇぇっ!?
「やっぱり付き合ってるからには挨拶しておかないとね」
嘘…ですよね?
全校生徒に知られたあげく更には母さん達にまでっ…
いっ嫌だぁぁっ!!!
「雲雀さん!別に今日じゃなくても…」
「善は急げだよ」
えとえとええと…早く止めないとーっ!!
…って、もうオレの家だ…
も…もう泣きたい…
「ただいまー…」
どんよりとした気分で、ガチャリと家のドアを開け、雲雀さんと一緒に家に入る。
「お帰りなさいツっ君~!…あら、そのカッコいい男の子は誰?」
「えっと…」
…も…もうどうにでもなれ…。
「初めまして。綱吉と同じ学校に通ってる雲雀恭弥と言います」
「恭弥君ね~!いつもうちのツナがお世話になってます。あ、中へどうぞ~」
「こちらこそいつも綱吉と仲良くさせていただき、ありがとうございます。では、お邪魔いたします」
………誰?
今この隣にいる人は誰ですか…?
雲雀さんが敬語でしかも笑顔で話しているのを初めて見て、口があんぐりと開く。…すぐ閉じたけど。
靴を脱いで、二階へと上がって行く途中、雲雀さんが耳打ちしてきた。
「今ので良かったよね?」
「え…えぇ…多分」
「よし、まずは好印象」
「…」
やってやったみたいな満足気な雲雀さん。…意外と演技派かも…。
自分の部屋の扉を開けて、少し後悔。
いや…かなり後悔。
普段から掃除しておけば良かった…。
「すみません…部屋汚くて…」
「別に良いよ。綱吉らしいし」
クスリと笑った雲雀さんに、少しばかり照れる。
オレらしいのかなぁ…
うーん…と悩んでいれば、いつの間にか雲雀さんは部屋の中を探っていた。
「綱吉は漫画好きなんだね」
「あ、はい」
慌てて部屋の入り、ドアを閉めた。
雲雀さんが手にとったのは、先週号のジャンプだった。
雲雀さんは黙々とジャンプを読み始めたので、仕方なく自分も今週号のジャンプを取る。
「あ、あの、面白いですか?」
「うん」
「そうですか…」
「こっち読み終わったらソレ貸してね」
「分かりました…」
ほっと安堵のため息を漏らしてしばらく読みふけっていると、階段を上がってくる音がして、ドアが開いた。
「おやつ持ってきたわよ~」
「ありがと」
お盆を受け取り、マグカップとお菓子の入った皿を机に置く。今日はホットココアと、母さん手製のバタークッキーだ。
「そういえば恭弥君何年生?」
「三年です」
「あらあら!じゃあツナの先輩なのね~」
嬉しそうな母さんと雲雀さんは、笑顔でニコニコと話をしていた。
とりあえず話す事もなさそうなので、クッキーを食べた。
うん、美味しい。
次はココアを――
「お母さん、お話があります」
「何かしら?」
ぶふーっ!!
い…いや…実際吹かなかったけどさ…
びっくりして盛大にココアを吹きそうだった。
「実は…僕、綱吉とお付き合いさせて頂いてるんです」
「……まぁ!そうだったの?んもう、ツっ君たら何も言わないんだから~」
少し呆けてから、母さんは笑顔で喜んでいる。母さん息子が男と付き合ってて疑問に思わないのだろうか…
それに…付き合い始めたの昨日からなんだけど…とは言えない…。
っていうか付き合って翌日挨拶って早すぎですってばっ!!雲雀さん!…これも言えない…。
「恭弥君、ツナをこれからもよろしくお願いね」
「分かりました」
母さんはぺこりと頭を下げて、「あら!もしかしてお邪魔かしらね~!」と言って部屋を出ていった。
…鼻歌を歌いながら、実に上機嫌そうだった。
…。
しばらくの沈黙。
雲雀さんがマグカップを手に取り、一口飲んだ…のかと思ったけど違った。
「熱い…」
「そりゃあホットココアですから熱いですよ」
マグカップを手に取り、ココアに舌をちょん…とつけてみた。
「あちっ…た、確かに熱いですね…」
仕方ないので、ふーふーと冷ましていると、雲雀さんが微笑みながらこちらを見ていた。
「な…何ですか?」
「なんでもないよ。ただ可愛いなぁって思っただけ」
「…そ、そうですか」
改めて雲雀さんに可愛いと言われると、頬が熱くなるのが分かった。
少ししてココアをちょっと飲んでみると、いくらか冷めていたので、ごくりと一口飲む。
「美味しい…」
ココアの甘さに思わず頬が緩む。
その隙にちょんと頬っぺたに何かか当たった感触がした。
「?」
雲雀さんの方を見れば、おとなしくジャンプを読んでいた。…なんだったんだろう?
雲雀さんがマグカップのココアを取り(それオレのだし…)、一口飲む。
「やっぱり熱い…」
少し困りながら呟いた。
…どうやら雲雀さんは猫舌だったらしい。
意外な発見。
「あ」
思い出したようにオレが声を出せば、雲雀さんは不思議そうにこてんと首を傾げた。
「どうしたの?」
「あの…雲雀さん、ゲームでもやりませんか?」
「いいよ」
笑顔で答えが返ってきたので、ちょっとドキリとする。
さて…何のゲームにしようかなぁ…
がさがさとゲームカセットの入ったケースを漁る。
そういえば…
「雲雀さんはどんなゲームが好きですか?」
雲雀さんはいったいどんなゲームをやったことあるのだろうか?パズルゲームとか…かな…?
「ん…あまりゲームをやらないからわからない」
「そうですかー…あ!じゃあこれにしましょう」
そう言ってケースから取り出したのは格闘ゲーム。今流行りの3Dなやつだ。
「…やり方わかんない」
少しいじけたように呟いた雲雀さんに、自信満々でにぱっと笑顔で答える。
「オレが雲雀さんに教えてあげますよ!」
「ならいいよ」
いじけた雲雀さん、可愛かったなぁ…
そんな事を考えながら、ゲームのカセットを本体にセットして、ゲームをやりはじめた。
最初のうちは勝ててたんだけど……
いつの間にか雲雀さんに負け続けていた。
…やっぱり雲雀さんはゲームでも強かった…。操作方法の覚え早いし…。
っていうか…そもそも格闘ゲームにしたのが間違いだったかもしれない。いや…間違いだった。
次やる時は、パズルゲームにしようと決めたオレだった。
結局雲雀さんに惨敗した後、雲雀さんはうちの家で夕食を食べていった。
「じゃあ綱吉、また明日」
「はい、待ってます」
にこっと笑顔で雲雀さんを見送る。
明日は雲雀さんが迎えに来るらしい。
これからも増えていく雲雀さんとの思い出に、胸が弾む。
…今夜眠れるかなぁ…
ちょっと不安になりながらも、オレはわくわくとした期待と共に、家に戻った。
END
▼あとがき▼
ハンティング番外編、雲雀さんとツナくんがお母さんにご挨拶~なお話…のつもりだったんだけどな…いつの間にかツっ君回りに振り回されたてますー的な話な感じに…。
ツナが熱いものをふーふーするのが書けて満足☆
後、何気に雲雀さん猫舌設定☆雲雀さんは猫舌だと思うな…うん。
そして雲雀さんゲームで圧勝。…よくあるんだよなぁ…全く知らないゲームのやり方教えてあげたら凄く上達早かったとか…。
嘘つきな人
- 2009/06/05 (Fri)
- おしらせとか戯言とか |
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『嘘つきな人』
綱吉は執務室の窓から外を眺め、ため息をつく。
「ふぅ…」
今日も相変わらずリボーンが大量の書類の山を置いていった。
しばらくは書類を片付けていたのだが、飽きてしまいこうしてサボっているのだ。
「仕事に飽きた飽きないなんて言っていられるか」とリボーンは言っていたが、はっきり言って綱吉はこの仕事に向いているとは思っていない。
ボンゴレのボスに君臨してから一年。昔のようなダメツナさはリボーンのおかげで幾分か治ったが、相変わらずサボり癖は抜けてなかった。
「眠い…」
春はもう終わりだというのに、暖かな陽射しと気候で、ふわぁ…と呑気にあくびをすれば、瞼が重くなってくる。
もう少しで閉じそうになったとこで、ハッと目を大きく開く。
「いやいや!仕事しないと!」
よし!と綱吉は気合いを入れ、ふかふかの椅子に座り上質な羽ペンを手に取った。インクにを浸け、リボーンに教え込まれた美しい筆記体の文字を、さらさらと書類に書き込んでいく。
30枚もサインすれば、またもや飽きてきて、さらには眠気までが襲ってきた。
「も…もう駄目…」
ぷつりと琴線が切れたように、バタリと綱吉は机に突っ伏した。
リボーンは嫌な予感がして、綱吉の居る執務室へ向かう。
(あいつまたサボってるんじゃねえだろうな…)
呆れたようにため息をつき、分厚いドアの前に立つ。一寸の隙も無く着こなしたスーツの内ポケットから、綱吉が居る執務室の鍵を取りだした。
(…堅苦しいな)
ふっと笑い鍵を仕舞えば、リボーンはドアを思いっきり蹴り飛ばした。
「・・・」
蹴り飛ばし吹き飛んだドアも気にせずに、部屋の中へずかずかと踏み込んで行っても、綱吉は起きる様子は無い。
相変わらずすやすやと眠り続ける綱吉に、また一つ呆れたため息をついた。
「…バカツナが。てめえは無防備すぎだ」
出会ってからずっと変わらない無防備さに、ほとほと呆れる。
ツカツカと机に歩み寄って行き背を屈めれば、すやすやと眠る綱吉の頬に軽く口づけをした。
「ばーか」
皮肉じみた笑顔で嫌みを言えば、山のように積まれた書類の半分程を持ち上げて、そのまま部屋を出て行く。
ドアが閉まり足音が遠退いていくのが分かると、綱吉はぱちりと目を開けた。
「…馬鹿はどっちだよ」
呟いた綱吉の顔は、夕焼けだという理由を差し引いても、頬は紅色に染まっていた。
顔を上げて、書類に目をやる。その数が半分近く減っている事に気付き、ふにゃりと笑う。
「全く…リボーンは素直じゃなんだから」
のびーっと思いっきり伸びをして、羽ペンを手に取り、書類を片付け始めた。
「よし!頑張ろう!」
「そっちこそ素直になれ」
書類を抱えて廊下を歩くリボーンは、いつもにも増して上機嫌だった。
(狸寝入りが俺に通用すると思ったか?全く、いつまでもダメツナだな)
素直になれない二人が素直になれる日は、そう遠くはない。
END
▼あとがき▼
初、10年後リボーン登場。そしていつもより短い。
というか…珍しく出来るだけ甘くしないようにしてみた。…危うく甘くなりそうだったから、リボーン帰らせました…。それでもやっぱり甘いのだけれど。
またリボツナ書きたいな…。
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いろいろ。(順次追加?)
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